特定技能の受け入れ費用はどのくらい?詳細な料金表や本人負担などについて紹介
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特定技能の在留資格を活用し、外国人労働者の受入を進めたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
特定技能は国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人の受入を目的に2019年に創設された比較的新しい在留資格です。
特定技能の在留資格を持つ外国人は、技能評価試験や日本語能力試験に合格しており技能や日本語のレベルが一定以上であることや、日本人が行う付随作業にフルタイムで従事できることで、即戦力の受入が期待できるため、人手不足の解消や国際化を進めたい企業からのニーズが年々高まっております。
そんな中、受入に必要な費用がわからないといったお悩みを聞く場面も増えております。特定技能の在留資格で外国人の受入を行う方法はいくつかあり、発生する費用の項目や相場が異なります。
この記事では、特定技能の在留資格で外国人の受入を行う費用と、費用を抑えるポイントや注意点を紹介いたします。
目次
特定技能外国人の受入に必要な費用とは
特定技能外国人の採用や雇用には様々な費用が発生します。費用の項目を分類すると、「受入に関わる費用」「特定技能の申請・更新・支援に関わる費用」「特定技能外国人に支払う費用」の3つとなり、分類された内容毎に費用の項目が存在します。
特定技能外国人の受入方法や受入する外国人の国籍・居住地によって費用が発生する項目は異なりますが、特定技能外国人の受入に発生する費用は、概ね以下のようになります。
分類 | 項目 | 概ねの費用/頻度 |
---|---|---|
採用に関わる費用 | 人材紹介手数料 | 10〜30万円/回 |
送り出し機関への手数料 | 10〜60万円/回 | |
特定技能の申請・更新・支援に関わる費用 | 在留資格申請費用 | 10〜20万円/回 |
在留資格更新費用 | 3〜6万円/更新都度 | |
義務的支援委託費用 | 2〜4万円/毎月 | |
特定技能外国人に支払う費用 | 入国時の渡航費用 | 5〜10万円/回 |
住居の準備費用 | 居住条件による | |
給与・福利厚生 | 諸条件による |
※あくまで参考程度としてご覧ください。
特定技能外国人の採用に関わる費用とは
特定技能外国人の採用は、人材紹介の手数料や、送り出し機関への紹介手数料が発生します。
人材紹介の手数料
人材紹介会社や登録支援機関を活用して特定技能外国人の採用を行う場合、紹介手数料の支払いが必要となります。紹介手数料の費用は、固定の手数料や、特定技能外国人の年収額の20%~30%とする場合が一般的です。
諸条件や契約によって異なりますが、10~30万円/人程度の費用が発生しますが、成果報酬型の場合が大半です。
自社で特定技能外国人を求人採用する場合には紹介手数料は発生しませんが、代わりに募集を行う広告費が発生します。
その場合、応募や採用者が来なくても募集費用が発生します。外国人の募集は日本人の採用とは異なる工夫や言語の対応を行う必要がありますので、費用対効果が悪化しないように注意が必要です。日本人の求人採用より難しい場合が多く、自社に特定技能外国人の求人ノウハウがない場合には、外注化するのが無難です。
特定技能人材の紹介やビザ申請などの書類作成などを丸っと外注化したいという場合は、キャリアリンクファクトリーにご相談いただけると幸いです。企業様のニーズを伺い、ご要望に最適な人材を紹介いたします。また、各種申請書類の代行、出入国管理局への提出、渡航後の送迎なども対応いたします。ぜひご相談ください。
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送り出し機関への手数料
送り出し機関への手数料は、海外に居住する特定技能外国人の受入を行う場合に発生する費用です。日本と送り出し国の間で、「送出機関を必ず通さなければならない」という二国間協定(MOC)を締結している国があります。
送り出し機関への手数料が必要な国から特定技能外国人を受入する場合、定められた費用が発生します。
送出機関を必ず通さなければならない国の例として、フィリピン、カンボジア、ベトナムなどが挙げられます。協定内容は都度変更になりますので、常に最新情報を確認する必要があります。
参考:在留資格「特定技能」とは|送出し国・送出機関とは | 外国人技能実習制度支援 | JITCO - 公益財団法人 国際人材協力機構
送り出し機関への手数料は国によって異なりますが、概ね10~60万円/人程度です。
送り出し機関を通さなくて良い国の場合でも、出国手続きの方法が各国毎に定められている場合が多く、独自に出国手配を進めるのは難しいため、送り出し期間を通じて出国手配を進めるのが一般的です。
特定技能外国人の申請・更新・支援に関わる費用とは
特定技能外国人の受入は、在留資格の取得・更新や、受入後も法令で定められた支援の実施が必要です。費用在留資格申請、在留資格更新、事前ガイダンス等、支援委託に関わる費用が発生します。
在留資格申請費用
特定技能の在留資格申請は自社で行うことも可能ですが、複雑な資料作成が膨大にあり、ノウハウがない場合は自社での作成は困難です。
また、書類の作成や申請に不備があると、在留資格の許可にかなりの期間を有してしまう場合があります。許可までの期間がかかると受入が遅れてしまい、内定者の入社辞退に繋がる恐れがあります。そのため、外部の登録支援機関や行政書士に委託する企業がほとんどです。
在留資格申請費用を外部の登録支援機関や行政書士に委託する場合、概ね10~20万円程度の費用が発生します。
在留資格更新費用
特定技能の在留資格は、在留期間内にも更新手続きが必要です。更新手続きには、書類の作成と出入国在留管理庁への申請を行いますが、在留資格申請と同様に自社での資料作成は困難で、外部の登録支援機関や行政書士に委託する場合がほとんどです。
在留資格更新を外部の登録支援機関や行政書士に委託する場合、概ね3~6万円程度の費用が発生します。
義務的支援委託費用
特定技能1号の外国人を受入する場合、受入企業は日本の法律で定められた義務的支援を実施しなければなりません。義務的支援の内容は以下の10項目となります。
- 義務的支援の10項目
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 非自発的転職の支援
- 定期的な面談・行政機関への通報
義務的支援の実施は、支援責任者・支援担当者の選任を行い、支援の中立性を確保することで、自社で実施することも可能です。
しかし、支援責任者・支援担当者選任の条件は、過去2年間に中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績があること、出入国在留管理庁長官が認める者など、ハードルの高い規定となります。
また、義務的支援の実施にも多くの知識や労力が必要となりますので、外部の登録支援機関に委託する場合がほとんどです。
委託する場合は、外国人労働者毎に月単位で概ね2~4万円程度の費用が発生します。また、登録支援機関によっては別途初期費用が発生します。
義務的支援の各項目については下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。
特定技能外国人に支払う費用とは
特定技能外国人の受入は、給与・福利厚生の他に、入国時の渡航費用や住居の準備費用が必要となる場合があります。
入国時の渡航費用
特定技能外国人の居住が海外の場合、日本に入国するための渡航費が発生します。入国前に本人から了承を得られていれば、渡航費用を企業側が負担する必要がありません。
ただし、日本と送出国の二国間協定(MOC)によって受け入れ企業負担が定められている場合には、企業側が渡航費を負担する必要があります。送出機関が受け入れ企業に費用負担を求めてくる場合がありますので、取り決めを事前に確認しておいた方が良いでしょう。
渡航費を負担する場合は出国先によっても異なりますが、概ね5~10万円程度の費用が必要になります。
住居の準備費用
海外に居住する外国人が、日本の住居や水道・ガスなどの契約をするのは困難ですので、企業側で準備する必要があります。賃貸物件を用意する場合、初期費用が発生します。費用の負担率は企業によって様々ですが、契約を行った企業が初期費用を負担するケースが多いのが実態です。
特定技能外国人の住居確保については下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。
給与・福利厚生
特定技能外国人の給与・賞与や福利厚生は、同じ業務を行う日本人と同等以上に設定する必要があります。特定技能の在留資格取得の条件に、外国人であることを理由とした待遇の差があってはならないと定められております。適合しない場合は、特定技能の在留資格申請が不許可になる可能性もあるため、待遇の差を出さないようにしなければなりません。
健康診断費用
在留資格の認定・変更申請の際に、3ヵ月以内の健康診断個人票の提出が求められます。そのため、健康診断費用を企業側が負担するケースもあります。健康診断の費用は各自治体によって異なりますが、1万円程度が目安となるでしょう。
また、国内・国外どちらで健康診断を受けても問題ありませんが、健康診断個人票に記載された診断項目を検診しなければなりません。
日本国内であれば、病院や検診クリニックなどで診断項目を満たした検診を受けることが可能ですが、海外では大きな病院でないと診断項目を満たした検診を受けられないこともあるため、注意が必要です。
健康診断費用については下記の記事で詳しく解説しております。ぜひご覧ください。
特定技能の費用で本人負担でも良いものは?
義務的支援委託費用や送り出し機関への手数料などは企業が負担しなければなりませんが、特定技能制度では、同意がある場合は本人負担でも問題のない費用も存在します。それぞれ詳しく紹介いたします。
入国時の渡航費用
基本的には、渡航費用は本人負担で問題ないとされています。しかし、より多くの人材を募集するために企業が渡航費用を負担するケースがほとんどです。同じ職種・仕事内容で渡航費用が本人負担と企業負担では、後者を選ぶ外国人が多いのは容易に想像できると思います。
住居の準備費用
国外から外国人人材を募集する際は、本人が日本国内の住居の準備ができないため、受け入れ企業が対応しなければなりません。しかし、国内在住の特定技能外国人であれば、住居の準備を本人がするため、受け入れ企業が対応する必要がないケースもあります。
しかし、1名あたり7.5平米以上の居室の確保や賃貸不動産やガス・水道との契約時に日本語サポートの対応を求められることもあるため、ご注意ください。
特定技能の費用相場は結論いくらくらい?
4つのパターンに分けて特定技能の費用相場を説明いたします。
「国外在住外国人」を特定技能として受け入れる場合の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
送り出し機関への手数料 | 10〜60万円/回 |
入国時渡航費用 | 5〜10万円/回 |
住居の準備費用 | 居住条件による |
人材紹介手数料 | 10〜30万円/回 |
在留資格申請費用 | 10〜20万円/回 |
義務的支援委託費用 | 2〜4万円/毎月(年間24~48万) |
在留資格更新費用 | 3〜6万円/更新都度 |
「国内在住外国人」を特定技能として受け入れる場合の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
人材紹介手数料 | 10〜30万円/回 |
在留資格申請費用 | 10〜20万円/回 |
義務的支援委託費用 | 2〜4万円/毎月(年間24~48万) |
在留資格更新費用 | 3〜6万円/更新都度 |
技能実習2号から特定技能1号へ移行する場合の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
在留資格申請費用 | 10〜20万円/回 |
義務的支援委託費用 | 2〜4万円/毎月(年間24~48万) |
在留資格更新費用 | 3〜6万円/更新都度 |
建設業で特定技能を受け入れる場合の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
人材紹介手数料 | 10〜30万円/回 |
国土交通省申請費 | 4〜8万円/回 |
在留資格申請費用 | 10〜20万円/回 |
義務的支援委託費用 | 2〜4万円/毎月(年間24~48万) |
業界団体の年会費(賛助会員) | 24万円(JACの場合)/年 |
受入負担金 | 12,500円、13,750円、15,000円、20,000円/月 |
在留資格更新費用 | 3〜6万円/更新都度 |
特定技能の費用に関する注意点
「出来るだけ費用負担を少なくしたい」と思われるかもしれませんが、本人に負担させてはいけない費用もあるため、注意が必要です。ここでは、それらの注意点について説明いたします。
「義務的支援」に係る費用を外国人本人に負担させてはならない
法務省の特定技能外国人受入れに関する運用要領のP68には、次の通り記載があります。
1号特定技能外国人に対する支援に要する費用(運用要領別冊(支援)に定める「義務的支援」に係るものに限る。)は、本制度の趣旨に照らし、特定技能所属機関等において負担すべきものであることから、1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させないことを求めるものです。
参考:運用要領別冊
帰国費用を本人が用意できない場合、企業が負担をしなければならない
帰国費用については本人負担が原則ですが、本人が費用を用意できない場合、企業が帰国費用を負担し、出国が円滑になるように必要な措置を取らなければなりません。
また、企業が経営上の都合上、帰国費用の負担が難しい場合に備えて、第三者(登録支援期間や関連企業など)と協定を結ぶなどしておくことが望まれます。
食費・居住費・水道光熱費等を必要以上に徴収してはならない
企業が特定技能外国人に住居や食事の提供を行い、その費用を給与から徴収するケースも少なくはありません。本人の合意があれば、住居費や食費、水道光熱費などは本人負担で問題ありません。あくまでも適正内の金額である必要があり、必要以上に徴収してはいけませんということです。
また、企業の自己所有物件や借り上げ物件(社宅、寮)を特定技能外国人に住居として提供する場合、仲介手数料や敷金礼金、保証金などは徴収できないので、ご注意ください。
特定技能外国人の受入費用を抑えるポイント
特定技能外国人の受入費用を抑えるポイントはいくつかありますが、本来の目的達成を第一優先とする必要があります。費用を抑えるポイントと注意点を紹介いたします。
受入方法を工夫し費用を抑える
特定技能外国人の受入方法は、大きく分けると「海外からの受入」、「国内に居住する外国人の受入」、「技能実習2号からの移行」の3通りです。
国内に居住する外国人の受入を行うことで、海外からの受入と比較すると「送り出し機関への手数料」、「入国時の渡航費用」、「住居の準備費用」が不要となり、費用を抑えることができます。
また、技能実習2号を良好に修了した外国人は、母国に帰国することなく「特定技能1号」に移行することが認められています。自社で条件にあてはまる外国人を雇用している場合、在留資格の変更を進めることで、「人材紹介手数料」が不要となり、更に費用を抑えることができるのです。
受入方法別の費用発生は以下となります。
海外採用 | 国内採用 | 技能実習から変更 | |
---|---|---|---|
人材紹介手数料 | 必要 | 必要 | 雇用者の場合不要 |
送り出し機関への手数料 | 必要な国がある | 不要 | 不要 |
在留資格申請費用 | 外注に依頼する場合は必要(※自社対応は難しい) | ||
在留資格更新費用 | 外注に依頼する場合は必要(※自社対応は難しい) | ||
義務的支援委託費用 | 外注に依頼する場合は必要(※自社対応は難しい) | ||
入国時の渡航費用 | 契約により必要 | 不要 | 不要 |
住居の準備費用 | 契約により必要 | 不要 | 不要 |
給与・福利厚生 | 必要(日本人と同等以上) |
人材紹介会社や登録支援機関サービスを一括でできる委託先の選定
委託先の選定に困った場合は、人材紹介会社や登録支援機関などの特定技能外国人の受入に必要なサービスをまとめて行える委託先を選定することで、トータルの費用が安価になる場合があります。
また、複数企業に分けて依頼すると、依頼する窓口が増えて管理が大変になることや、企業間の業務受け渡しがスムーズに進まない場合があります。一括で依頼できる企業の場合、自社の負担を低減し、業務がスムーズに進みます。
また、特定技能外国人の受入を一括で行える委託先は、外国人採用に関する知識が豊富な企業が多い傾向にあります。
委託先企業の選定は慎重に行う必要がありますが、迷った場合には一括で委託できる企業の選定をおすすめします。
キャリアリンクファクトリーでは、これらを一括で委託していただくことが可能です。申請書類の手続き代行や渡航後の送迎まで丸っとお任せいただけます。ぜひご相談ください。
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特定技能で優秀な人材を効率よく確保したいなら知っておきたいこと
特定技能外国人の受入を進める企業の多くが、優秀な人材の確保を目的としております。
抑えられる費用は抑えた方が良いですが、本来の目的を阻害する可能性がある費用削減には注意が必要です。
例えば、「入国時の渡航費用」や「住居の準備費用」は、入国前に本人から了承を得られていれば本人負担にできる場合があります。
企業負担とする場合でも、住居を共同部屋や安価な賃貸にし、費用を抑えることが可能です。しかし、費用を抑えることに固執しすぎると、本来採用できた優秀な外国人の応募が減少し、入社後もトラブルや離職に繋がる恐れがあります。
「在留資格申請・申請」や「義務的支援」も、自社で行うことで外注費を削減することは可能です。しかし、ノウハウが無い状態で無理に行い、書類や手続きに不備があると、同様の事態に繋がりかねません。また、入管法、労基法の収集や書類作成に時間がかかり、結果的に人件費が膨らむ場合があります。
また、外注化する場合にも、費用が安いだけの理由で外注先を選定すると、本来必要なサービスが行われていないといった状況に陥る可能性があります。費用の比較を行うことは大切ですが、それ以上にサービスの詳細を把握し、委託業務を遅延なくしっかりと行ってくれる委託先の選定が大切です。
まとめ
特定技能外国人の受入に必要な費用と抑えるポイント・注意点を紹介いたしましたが、関係法令や二国間協定(MOC)などの状況により、入管法や労基法、費用項目や相場感が変更となる場合があります。
制度も複雑なので、実際に進める場合は人材紹介会社や登録支援機関にまずは相談してみることを推奨します。
また、人材紹介会社や登録支援機関など複数のサービスを一括で行える、外国人労働者の受入に特化した企業に委託することで、求人から受入後のフォローアップまで幅広く行える場合があります。委託先の選定に迷った場合には、優先して相談すると良いです。
もし、委託先をお探しでしたら、キャリアリンクファクトリーに一度ご相談いただけますと幸いです。企業様のニーズに合った人材選定、申請諸々の代行作業をいたしますので、安心してご相談ください。