特定技能外国人への日本語学習の機会の提供とは?実施方法や注意点を紹介
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特定技能外国人を受け入れる企業は、支援の一環として「日本語学習の機会の提供」が必要です。
しかし「日本語学習にはどのような方法があるのか」「注意点が分からない」といった疑問を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、特定技能外国人への日本語学習の機会の提供について、実施方法や注意点を紹介いたします。
特定技能の日本語学習機会の提供とは?
特定技能1号外国人に対する日本語学習の機会の提供は、法務省の「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」で定められおり、受け入れ企業や登録支援機関に実施の義務が生じます。
特定技能外国人は、来日時点で「日本語能力試験のN4以上、または同等の日本語能力」を持っていますが、これは、「基本的な日本語を読んで理解できる」「ゆっくりと話される会話を理解できる」レベルです。そのため、日本での就業や日常生活で困るシーンも起こりえます。
特定技能1号外国人に日本語学習の機会を提供し、日本語レベルを向上されることで、日本での生活や就業をよりスムーズにしていきます。
日本語学習の機会の提供に関する義務的支援と任意的支援
日本語学習の機会の提供に関する支援は、必ず実施が必須となる「義務的支援」と、実施が望ましいとされている「任意的支援」があります。
義務的支援
義務的支援では、特定技能1号外国人が日本語を学習する機会を得られるようにします。具体的な支援内容としては、以下のいずれかの方法で、本人の希望に基づき支援を行う必要があります。
- 義務的支援の内容
- 地域の日本語教室や日本語教育機関に関する入学案内の情報を提供し、必要に応じて入学手続の補助を行う
- 自主学習のための日本語学習教材やオンラインの日本語講座に関する情報を提供し、必要に応じて日本語学習教材の入手やオンラインの日本語講座の利用契約手続の補助を行う
- 本人合意の下で特定技能所属機関等が日本語教師と契約し、日本語学習の機会を提供する
任意的支援
任意的支援では、指導・講習の積極的な運営、日本語試験の受験支援、日本語学習の経済的支援を行います。
- 任意的支援の内容
- 日本語指導・講習の積極的な企画・運営を行う
- 日本語能力に係る試験の受験支援や資格取得者への優遇措置を講じる
- 日本語教室や日本語教育機関の入学金や月謝等の経費、日本語学習教材費、日本語教師との契約料等に関する諸経費の経済的支援を行う
日本語学習の機会の提供を行う方法
日本語学習の機会を提供する方法を紹介いたします。日本語学習は様々な方法があり、学習にかかる費用や時間も多岐に渡ります。特定技能1号外国人や企業の状況によって、より良い方法を選択しましょう。
日本語学校との提携
日本語教育を専門とする日本語学校は、豊富な知識とノウハウを持っています。効率的に日本語を学び、短期間で日本語レベルを上達させることが期待できます。
また、日本語学校によっては企業と連携し、希望する時間帯に合わせてレッスンを組んでくれる学校もありますので、近くの日本語学校に相談してみましょう。
自治体や地域の日本語教室を活用
自治体や地域によっては、日本語教室を開催しているところもあります。無料または安価で開催されている日本語教室もありますので、日本語学校と比べて学習費用を抑えることが期待できます。
また、日本語教室の先生を地域のボランティアが務めている場合、地域の交流を広げるメリットがあります。
オンラインの日本語学習プログラム
オンラインの日本語学習プログラムは、インターネット上での通話機能を活用し、グループやマンツーマン形式で日本語を学習できます。
時間や場所の制限を受けずに日本語を学習できるため、職場の近くに日本語学校や教室がないため通うのが難しい場合や、就業時間内に研修として日本語学習を行いたい場合におすすめです。
職場での言語サポートや教材の提供
職場内で日本語学習のサポート体制を整えたり、教材の提供を行うのも効果的です。
たとえば、職場内で日本語の基礎を教える短期コースを実施したり、日常会話を練習するランチミーティングを開催して、日本語学習を進めます。
職場内で日本語サポートを行うことで、受け入れ企業のスタッフとのコミュニケーションが円滑になるメリットがあります。
また、日本語学習と並行して仕事で使用する用語を教えることで、より就業に直結した言語サポートが可能です。
さらに、社内での日本語研修を充実させることで、他社と差別化が可能となります。外国人にとって魅力的な企業となり、離職率の低下や求人募集の拡大が期待できます。
日本語学習に使用する教材は、以下の3つがおすすめです。
動画形式の日本語学習教材「つながるひろがる にほんごでのくらし」
文化庁が提供している学習サイト「つながるひろがる にほんごでのくらし」は、無料で日本語を学習できるコンテンツです。
お店で買い物をする、病院で診察を受けるなど、様々な生活シーンで使われる日本語を学ぶことができます。動画形式で字幕もついているので、日本語が苦手な外国人にもわかりやすくなっています。
(対応言語:日本語、中国語、英語、フィリピノ語、フランス語、インドネシア語、クメール語、韓国語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、タイ語、ウクライナ語、 ベトナム語)
参考:つながるひろがる にほんごでのくらし
日本語学習教材が見つかる「日本語教育コンテンツ共有システム」
同じく文化庁が提供している「日本語教育コンテンツ共有システム」では、全国の市町村や、公益財団法人などが作成している日本語学習教材の情報が掲載されています。
会員登録の必要がなく、用途に合わせた日本語学習教材の検索が可能です。
日本語教材が無料でダウンロードできる「いろどり 生活の日本語」
国際交流基金日本語国際センターが提供している「いろどり 生活の日本語」は、PDFの日本語教材を無料でダウンロードできます。
日常生活や職場で使える会話のほか、元号 や日本の住宅、トイレの使い方といった文化や生活情報に加え、会話の音声データや各場面に合わせた文法の説明もあります。
(対応言語:日本語、韓国語、中国語、モンゴル語、インドネシア語、クメール語、タイ語、フィリピノ語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語、ポルトガル語、欧州スペイン語、ウクライナ語、 ロシア語、ウズベク語、フランス語、ラオス語)
参考:いろどり 生活の日本語
日本語能力試験への対策
日本語能力試験(JLPT)に向けての対策も、日本語学習方法の一つです。
スキルアップを目指すために、さらに上のレベルの試験合格を目標にすると、日本語学習のモチベーションアップが期待できます。
受け入れ企業は、試験対策コースや教材の案内や、試験費用の支援などを行います。
日本語学習の機会を提供する際の注意点
日本語学習の機会を提供する際の、具体的な注意点について紹介します。
学習者のレベルやニーズに合わせた日本語学習の機会を提供する
日本語学習カリキュラムは初級から上級者向けまで、様々なレベルがあります。
受講する外国人によって、日本語のレベルも異なります。
また、「会話をスムーズにできるようになりたい」「読み書きができるようになりたい」など、特に勉強したい分野も外国人によって異なります。
学習者のレベルやニーズに合わせた日本語学習の機会を提供しましょう。
教室の入学案内、情報提供に関する費用は企業側が支払う
義務的な支援として「日本語教室や日本語教育機関などの入学案内」と「日本語学習教材の情報提供」にかかる費用は企業側が負担します。特定技能外国人に費用の支払いを求めてはいけません。
「入学金」「受講費」「テキスト代」などの日本語学習に関連する費用について、企業側に負担の義務はありませんが、任意的な支援として企業側が負担するケースあります。
特定技能外国人に高額な費用負担がかからないよう注意が必要
特定技能外国人が日本語学習にかかる費用を支払う場合には、申し込み前に本人の同意が必要です。
受けられるサービスと必要な費用を事前に明確に説明し、トラブルが生じないよう十分に配慮しましょう。
経済的な負担が大きすぎると、特定技能外国人のモチベーション低下につながります。
状況に応じて、経済的負担の少ない学習方法を紹介したり、企業が福利厚生として学習費用を負担するなど、支援方法を検討しましょう。
任意的支援も支援計画書に記載した場合は義務となる
特定技能外国人への支援は、支援計画書に沿って実施します。
出入国在留管理局に提出した支援計画書に任意的支援を記載した場合、任意的支援であっても実施の義務が生じますので、注意が必要です。
まとめ
特定技能1号制度で外国人を受け入れる企業は、「日本語学習の機会の提供」が必要です。
適切なサポートを行うことで、外国人の日本語レベルが向上し、コミュニケーションが取りやすくなります。
日本語学習の方法は複数ありますので、受け入れ企業や外国人本人の希望に合わせて学習機会を提供しましょう。
自社での対応が難しい場合には、国内の人材紹介会社への相談をおすすめします。人材紹介会社は特定技能外国人の受け入れや手続きのノウハウを持っていますので、受け入れまでのプロセスを効率化し、受け入れ業務やその後の手続きに関わる企業の負担を軽減できます。特定技能外国人の日本語学習機会の提供について、学習方法の選び方や手続き方法をサポートします。
特定技能外国人の受け入れをご検討中でしたら、製造業特化の人材派遣会社「キャリアリンクファクトリー」へぜひお問い合わせください。