特定技能の定期的な面談とは?違反があれば行政機関への通報が必要!
- Top
- キャリアリンクファクトリー派遣ジャーナル
- 特定技能の定期的な面談とは?違反があれば行政機関への通報が必要!
特定技能で受け入れた外国人には、定期的な面談の実施が求められます。また、定期的な面談で違反が発覚した場合には、行政機関への通報が必要です。
「定期的な面談で何をすればいいかわからない」「問題や違反が発覚した際の対応方法を知りたい」といった疑問をお持ちの企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、定期的な面談で確認すべき内容や、違反があった場合の対応方法、注意点まで詳しく説明いたします。
目次
特定技能は定期的な面談が必要
特定技能では、受け入れた外国人の業務や待遇、日常生活などの状況把握と問題解決を目的に、定期的な面談を実施する義務が生じます。
定期的な面談は、支援責任者または支援担当者が実施します。面談の内容は「定期届出」として書類にまとめ、四半期ごとに出入国在留管理庁に提出が必要です。
定期届出の時期に合わせて、少なくとも3か月に1度は定期面談を実施します。
定期届出の未提出や虚偽の報告には罰則があるため、注意が必要です。
定期的な面談の実施方法
定期的な面談は、支援責任者または支援担当者が、外国人本人とその上司または監督者のそれぞれと行います。
具体的には、1人の特定技能外国人につき、以下の2回の面談が必要です。
- 必要な面談
- 支援責任者または担当者と特定技能外国人本人の面談
- 支援責任者または担当者と外国人の上司または監督的立場にある者との面談
外国人本人と上司または監督的立場にある者を同時に面談してしまうと、外国人が意見を言いにくくなり、問題を正しく把握できません。必ず別々に2回実施しましょう。
また、面談の実施は、支援責任者または担当者以外の第三者には委託できませんので、注意が必要です。
定期的な面談で確認する内容
定期的な面談では、特定技能外国人の状況を本人に直接確認していきます。ここでは、定期的な面談で確認すべき内容を説明いたします。
労働条件の確認
特定技能外国人の労働条件に問題がないかを確認します。
- 労働条件の確認項目
- 雇用契約に定められた賃金が毎月支払われている
- 契約に定められた労働時間を守っている
- 休日や休暇(例:一時帰国休暇)が適切に付与されている
- 定期的な食費や居住費などが合意に基づいて負担されている
- 食費や居住費などの徴収が合意に基づいて運用されている
- 支援計画に基づいた支援を受けられている
業務内容の確認
特定技能外国人の業務内容が適切かどうかを確認します。
- 業務内容の確認項目
- 雇用契約と異なる業務に従事していない
- 安全衛生に配慮して適切に業務を行っている
- 受け入れ企業が外国人の従事する職場の事業主である
生活面の確認
特定技能外国人の生活面や健康面に問題がないかを確認します。
- 生活面の確認項目
- 適切な住居が提供されている
- 日常生活で問題が発生していない(公共料金の支払いやごみ捨てなど)
- 定期的に健康診断を受けており、健康に異常がないことを確認している
メンタルヘルス
特定技能外国人が不当な取り扱いや制限を受けず、精神衛生が保たれている状態にあるか、また、財産や私生活が不当に制限されていないか確認します。
- メンタルヘルスの確認項目
- 暴力、脅迫、監禁などのハラスメントを受けていない
- 保証金の徴収や違約金の定めが契約に含まれていない
- 預金通帳などの財産の管理が不当に制限されていない
- 旅券や在留カードを自分で保管・管理している
- 私生活の自由が不当に制限されていない
コミュニケーションと日本語能力の確認
特定技能外国人が、職場や日常生活で、意思疎通や言語習得が円滑に行われているかを確認します。
もし問題がある場合は、「日本人との交流促進」や「日本語学習機会の提供」を支援し、問題の解決に努めなければなりません。
不法就労者が働いていないか確認
不法就労者の就労は重大な法律違反です。定期的な面談の際に確認していきましょう。
定期的な面談で違反が発覚した場合は行政機関への通報が必要
定期的な面談で違反が発覚した場合、支援責任者(担当者)には行政機関への報告・通報の義務があります。
支援責任者や担当者は、外国人労働者と監督者の双方から意見を聞き、報告書を作成します。報告書には双方の意見をそのまま記載し、合わせて以下の3つの項目それぞれの対応結果を記録します。
- 記録項目
- 特定技能外国人への対応
- 受け入れ企業や特定技能所属機関への対応
- 関係行政機関への対応
また、対応や通報が不要と判断した項目がある場合には、その理由を必ず記載しましょう。ここでは、上記の3つの項目についてそれぞれ簡単に説明いたします。
特定技能外国人への対応
違反が確認された場合、当該外国人労働者に対して状況を丁寧に説明します。また、違反について相談できる労働基準監督署や入国管理局等の関係行政機関を案内します。
受け入れ企業や特定技能所属機関への対応
受け入れ企業や特定技能所属機関の責任者に、法令違反の発生を通知します。また、法令違反事実の届出を行うべき出入国在留管理庁を案内します。
関係行政機関への対応
関係行政機関に通報した日付や通報先の機関名を記録します。
定期的な面談を実施する際の注意事項
定期的な面談を実施する際の注意事項を説明します。
特定技能外国人がしっかりと理解できる言語で行う
定期的な面談は、外国人が十分に理解できる言語で実施されなければなりません。
外国人の語学力によっては、日本語のみでの面談では真意が伝わらない場合があります。双方が面談の内容を理解できるよう、書類の翻訳や通訳の準備を事前に行いましょう。
外国人が日本語で円滑にコミュニケーションを取れるレベルであれば、日本語で実施しても問題ありません。
面談は対面で行う
定期的な面談は対面で行うように入管庁(特定技能に関する運用要領)で定められています。WEBや電話などで済ませることは認められていません。
以前はコロナウイルスの影響により、テレビ電話の活用が許されていましたが、2024年1月からは対面での実施が必要と変更されました。
例外として、漁業分野は陸地に3ヶ月以上戻らない場合がある上に、洋上での通信環境の脆弱性を考慮して、特例として対面の面談は近隣の港に帰港した際で差し支えないと認められています。
支援責任者や支援担当者の任命には要件がある
定期的な面談を行う支援責任者や支援担当者の任命には、いくつかの要件があります。
外国人直属の上司ではなく、中立的な立場にある役職の者である必要があります。代表取締役も支援責任者や支援担当者になることはできませんので、担当者を選任する際には注意が必要です。
面談は定期的に実施する
定期的な面談は、少なくとも3ヶ月に1回以上の頻度で実施する義務がありますが、外国人の状況によってはさらに短い頻度で実施しましょう。
フォローアップの頻度を上げることで、外国人の不安解消やスムーズな問題解決に繋がります。
定期届出の作成方法
定期届出には様々な書類の提出が求められます。
定期届出に必要な書類は、自社で支援を行っている場合と、登録支援機関に支援を委託している場合で異なります。
また、定期届出には提出期限が設けられているため、注意が必要です。
ケースごとに必要な書類と提出期限を説明いたします。
自社で支援を行っている場合
自社で特定技能外国人の支援を行っている場合、以下6つの書類が必要です。
- 必要書類一覧
- 受け入れ・活動状況に係る届出書:参考様式第3-6号:受入れ・活動状況に係る届出書
- 特定技能外国人の受け入れ状況・報酬の支払い状況:参考様式第3-6号別紙:特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
- 賃金台帳の写し:外国人本人の賃金台帳の写しに加え、比較対象となる日本人の物も必要です。
- 支援実施状況に係る届出書:参考様式第3-7号:支援実施状況に係る届出書
- 相談記録書:参考様式第5-4号:相談記録書
- 定期面談報告書:参考様式第5-5号:定期面談報告書、第5-6号:定期面談報告書-(監督者用)
登録支援機関に支援を委託している場合
登録支援機関に支援を委託している場合、受け入れ企業では以下4つの書類を準備します。
- 受け入れ企業の必要書類一覧
- 受入れ・活動状況に係る届出書
- 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
- 賃金台帳の写し
- 報酬支払証明書:参考様式第5-7号:報酬支払証明書
上記に加え、登録支援機関が以下の書類を作成して提出します。
- 登録支援機関の必要書類一覧
- 支援実施状況に係る届出書:参考様式第4-3号:支援実施状況に係る届出書
- 1号特定技能外国人支援対象者名簿:参考様式第4-3号別紙:1号特定技能外国人支援対象者名簿
- 定期面談報告書
定期届出の提出期限
定期的な面談の結果を報告するための定期届出は、四半期ごとの報告対象期間によって提出期限が異なります。
対象期間ごとの提出期限は以下の通りです。定期届出の遅延は罰則の対象となるため、対象となる期間ごとの提出期限をしっかりと把握しましょう。
対象期間 | 提出期限 | |
---|---|---|
第1四半期 | 1月1日~3月31日 | 4月1日~4月14日 |
第2四半期 | 4月1日~6月30日 | 7月1日~7月14日 |
第3四半期 | 7月1日~9月30日 | 10月1日~10月14日 |
第4四半期 | 10月1日~12月31日 | 1月1日~1月14日 |
まとめ
特定技能の定期的な面談は、義務的支援の1つです。面談を通じて、外国人の業務や待遇、日常生活などの状況把握と問題解決を行います。
面談は支援責任者または支援担当者が行い、その内容を定期届出に取りまとめ、四半期ごとに出入国在留管理庁に提出する必要があります。また、違反があれば行政機関への通報が必要です。
定期的な面談では様々な内容を確認する必要があり、定期届出には複数の書類が必要です。そのため、支援責任者または支援担当者には多くの負担がかかります。
これから特定技能外国人を受け入れようと検討している企業は、定期的な面談や書類の準備など時間が取れない場合があるかもしれません。そのため、受け入れ後のサポートをしてくれる国内の人材紹介会社を通して特定技能外国人の受け入れをおすすめいたします。
キャリアリンクファクトリーは製造業を得意とする国内の人材派遣会社です。特定技能外国人の定期的な面談を含め、適切にサポートいたします。また、特定技能外国人の受け入れや手続きのノウハウを持っていますので、受け入れまでのプロセスを効率化し、受け入れ業務やその後の手続きに関わる企業の負担を軽減いたします。
特定技能外国人の受け入れをご検討中でしたら、キャリアリンクファクトリーにぜひお問い合わせください。