特定技能外国人向けの求人票の作成方法|必要項目、作成のコツ、注意事項などを紹介
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「特定技能を募集する求人票のつくりかたが分からない」「求人票を出しても外国人から応募が来ない」このような悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか。
出入国在留管理庁のデータによると、特定技能外国人の受け入れ人数は年々高まっております。多くの求人の中から、自社の求人に目を止め、応募のプロセスに進むには、求人票の内容が重要です。
この記事では、特定技能の求人票に記載すべき項目やポイント、注意点について紹介いたします。
目次
特定技能の求人票に記載が必要な項目
特定技能の求人票は、以下の項目について記載が必要です。
- 特定技能の求人票に記載が必要な項目
- 職種・仕事の内容
- 就業の場所
- 賃金
- 福利厚生
- 就業時間
- 休日・休暇
- 雇用契約期間
- 社会保険・雇用保険
それぞれの項目について、内容を説明いたします。
職種・仕事の内容
求人票に記載する「職種・仕事の内容」には、産業分野や業務区分、主な仕事の内容を明記の他に、付随する業務も細かく明記します。
たとえば、製造業の求人では「〇〇に使われる、××という部品を製造します。付随業務として、原材料の搬送作業、製造ラインの清掃・保守管理作業も行います」というように具体的に記載することで、仕事の内容がイメージしやすくなります。
曖昧な書き方にしてしまうと、入社後のミスマッチに繋がるため注意が必要です。
就業の場所
求人票に記載する「就業場所」は、勤務先の支店名や住所を具体的に記載します。就業場所はどのような場所なのか、特徴を記載するとイメージしやすくなります。就業場所が複数存在する場合は、全ての情報を記載します。
求人票には本社住所を記載し、「本店以外の支社いずれか」という表現では、どこで働くかが伝わりません。就業場所が具体的にわかる記載が必要です。
賃金
求人票に記載する「賃金」は、基本給の他に、残業や休日出勤時の割り増し賃金、手当や賞与に関する情報も記入します。
賃金から税金や社会保険料などを引いた、実際の手取り額も記入しておくと、受け取る収入をイメージしやすくなります。
注意点として、特定技能外国人の賃金は、同じ業務を行う日本人の賃金と同等以上に設定することが規定により定められております。また、日本人の場合と同じく、法律で定められた最低賃金を下回ってはなりません。
福利厚生
求人票に記載する「福利厚生」は、社宅手当や資格支援制度、社内イベントなど、行っている活動を具体的に記載します。注意点として、「健康保険」や「厚生年金」など、保険関係は外国人にとってわかりにくい内容です。わかりやすい表現で記載し、面接時や入社後には補足で説明が必要です。
就業時間
就業時間は、「勤務開始から終了までの時間」「実働時間」「休憩時間」「残業の月平均時間」など、情報を詳しく記入し、応募する外国人がイメージしやすくします。
注意点として、特定技能外国人の就業時間は、同じ業務を行う日本人と同等にする必要があります。
また、特定技能外国人の労働時間は、フルタイム勤務と同等にすることが定められております。フルタイム勤務とは「労働日数が週5日以上、年間の労働日数が217日以上、週の労働時間が30時間以上」の条件を全て満たした場合を指します。アルバイトやパートとしての雇用はできませんので、誤って求人票に記載しないようにしましょう。
休日・休暇
求人票に記載する「休日・休暇」は、会社としての休日や、有給休暇など休日・休暇に関わる制度を記載します。
国籍や宗教によっては、祝日やイベントに対し、特別な感情を持つ外国人も多いです。特に家族が海外に居住する外国人は、家族と過ごすため母国に帰り、祝日やイベントを過ごす場合があります。休日や休暇の情報は、なるべく具体的に記載しましょう。
雇用契約期間
特定技能外国人の求人は無期雇用ではなく、一般的に有期雇用で募集します。雇用期間については、入管法で定められた期間は特にありません。しかし、1号特定技能外国人の在留期間が最長5年であることを踏まえて、有期雇用で雇用期間を決めていきます。
社会保険・雇用保険
特定技能外国人は、健康保険や年金などの社会保険や、雇用保険に加入する義務があります。
特定技能外国人が求人票で重視している項目
求人応募を増加させるには、特定技能外国人が求人票で重視している項目を理解し、記載内容を工夫する必要があります。重視している項目と詳細を紹介いたします。
賃金
日本で働きたいと考える外国人の多くが、母国で働くより多額の賃金を得たいと考えています。そのため、求人票の賃金はより重要視されます。
可能な限り魅力のある賃金設定をし、賞与や寸志などを含めた年収で明記していきます。不明確な内容では不信に思われるため、わかりやすく記載することが大切です。
具体的には、支給額の他に、税金や社会保険などの控除される額、家賃や光熱費などの負担額も具体的に明記し、これらを差し引いた手取り額を記載すると良いでしょう。
想定していた賃金と、実際に受け取る賃金のギャップが少なくなり、ミスマッチの抑制にも繋がります。
住宅に関する福利厚生
福利厚生の中でも、特に住宅に関しては詳しく記入するとよいでしょう。住宅は職場より長い時間を過ごす場所なので、重視する人もいます。
住宅に関する情報として、「会社が保有している寮や社宅の有無」「部屋は一人部屋か相部屋か」「住居付近の環境」「部屋の大きさ」など、内容を具体的に書くとイメージしやすくなります。
仕事内容、勤務時間
賃金や福利厚生と合わせて、仕事内容や勤務時間も重要視される項目です。仕事内容は専門用語をなるべく使わず、外国人にとってわかりやすい内容で、具体的に記載しましょう。
また、勤務時間は「就業時間」や「時間帯」を明確に記載し、交代制の場合にはそれぞれのシフトを具体的に記載します。
合わせて、残業や休日出勤の見込みを実態に沿って表記しましょう。勤務時間や残業に対するニーズは人それぞれです。たとえば残業に対して、「残業はしたくない」「なるべく残業をして残業代も稼ぎたい」という様々な捉え方があります。実態に合わせた勤務時間を具体的に記入することで、入社後のミスマッチ抑制に繋がります。
すでに外国人の雇用をしている場合、今雇用している人数・国籍を書く
特定技能外国人の中には、日本で働くことに不安を感じている方もいます。求人票に外国人の雇用実績を書いておくと「この企業では外国人が働いていたり、自分と同じ国籍で働いている人がいる」と伝わり、心強く感じます。
雇用している外国人の人数や国籍は、なるべく具体的に記載しましょう。
特定技能の求人票で避けるべき表現と注意事項
求人票に、記載を避けるべき項目や、法律で禁じられている表現が複数存在します。また、応募者に求人票の内容が伝わらない表現では、入社後にトラブルとなってしまう恐れもあります。
特定技能の求人票を作成する上で、避けるべき表現や注意事項について紹介します。
募集事項に、差別にあたる内容や表現を使わない
差別にあたる内容や表現を避けることが非常に重要です。
注意が必要な内容や表現は複数ありますが、主な内容としては、「性別」「年齢」、「国籍」「思想・信条」などが挙げられます。
なお、業務内容と関連するスキルに着目した書き方は問題ありません。たとえば、特定技能の宿泊分野で「中国語を話せる人をフロントや接客業務で募集したい」と考えている場合は「中国籍の人を募集」と記載すると、国籍差別に繋がる恐れがあります。この場合、「中国語をネイティブレベルで使用できる人」のように表現します。
求人票の文章を理解しやすい書き方・言語にする
求人票に記載する文章は、応募する外国人が理解しやすいように記載します。たとえば、文章をなるべく簡単な表現にし、漢字には「ふりがな」を振るなど工夫が必要です。
可能であれば、他言語の求人票も合わせて用意すると、より理解しやすくなります。英語や、すでに受け入れ企業で働いている特定技能外国人がいる場合は、その外国人の母国語が作成しやすくおすすめです。
日本の制度・慣習を丁寧に説明する
日本では当たり前と思っている制度や慣習も、外国人から見ると知らない習慣であり、入社後にギャップを感じてしまうことがあります。それらのミスマッチを防ぐためには、日本の制度や慣習がわかる求人票を作成し、面接時にも補足して説明していきます。
たとえば、社会保険や税金などの給与から控除される項目や、残業の割増賃金などが挙げられます。
特定技能はハローワークで採用できる?
特定技能外国人は、ハローワークで採用できます。求人情報が届く範囲は、ハローワークで求人を探している日本国内在住の外国人に限られますが、掲載することでより多くの求職者の目に触れる目に触れる可能性があります。
特定技能の求人票のフォーマット
求人票に記載が必要な項目は、出入国在留管理庁「雇用条件書」(参考様式第1-6号)で最新情報を確認できます。
また、ハローワークの求人票フォーマットは、厚生労働省HPの「求人申込書(フルタイム・パート・季節・出稼ぎ)」で確認可能です。
まとめ
日本での就業を考えている特定技能外国人にとって、求人票は重要な情報源です。より多くの求職者から求人応募を得るには、求人票の工夫が大切です。
求人票を工夫をしても応募が増えない、自社で求人票を作成するのが難しい場合は、国内の人材紹介会社への相談がおすすめです。求人票の作成から、特定技能外国人の紹介まで対応しており、自社の手間を削減できます。
キャリアリンクファクトリーでは、お客様から人材需要を確認し、貴社の要望に沿った人材を国内・海外合わせてネットワークを駆使して募集します。当社にて1次選考したスタッフを貴社にご案内します。ミスマッチ防止のため「オンライン面談」もしくは「現地で事前面談」を実施していただき、双方の了承を得て申請手続きを開始します。特定技能をご検討中でしたら、ぜひお問い合わせください。