特定技能外国人の健康診断は企業の必須事項?内容や注意点を紹介
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特定技能外国人を受け入れる企業には、就労前健康診断の実施と、外国人の健康状態に問題がないか確認を行う義務があります。また、受け入れ後にも、定期健康診断の実施が必要です。
しかし、「日本人と異なり何をすれば良いかわからない」「費用や必要書類が知りたい」という悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
健康診断の実施や健康状態の確認は、受け入れ企業の義務になっているだけではなく、外国人が安全に業務を行う上で非常に重要です。
この記事では、特定技能外国人の健康診断について、概要や注意点をわかりやすく紹介したします。
目次
特定技能外国人の就労前健康診断は企業の必須事項
特定技能外国人の就労前健康診断は、企業の必須事項です。特定技能の在留資格の要件に、その外国人の「健康状態が良好であること」という要件が定められております。
受け入れ企業は、特定技能外国人を受け入れする前に就労前健康診断を行い、健康状態に問題がないかを確認する義務があります。健康状態が良好であることを示すため、「健康診断個人票」と「受診者の申告表」の確認が必要です。
特定技能外国人が就労前健康診断を受ける時期
就労前健康診断を受ける時期について期間が定められております。受診期間は特定技能で受け入れする外国人の居住地(国内・海外)によっても異なるため、注意が必要です。居住地毎に定められている受診期間を紹介いたします。
受け入れする外国人が国内に在留している場合
日本に在留する外国人(留学生や技能実習生など)が特定技能に在留資格を変更する場合は、在留資格認定証明書交付の申請日から遡って、1年以内に日本の医療機関で就労前健康診断を受けなければなりません。
その証明として、健康診断個人票の提出が必要です。また、特定技能は転職の場合においても、改めて在留資格の変更申請が必要となります。
この場合も同様に、在留資格認定証明書交付の申請日から1年以内に診断した健康診断個人票が必要となります。
日本に在留する外国人の就労前健康診断は、日本人と同様に健康診断を行える病院やクリニックで受診できます。
受け入れする外国人が海外に在住している場合
海外から特定技能で外国人を受け入れる場合は、海外の病院で就労前健康診断を行います。
在留資格認定証明書の交付申請日から遡って3か月以内に就労前健康診断を受診しなければなりません。受診期間は国内在留の場合より短く、海外にいる外国人と連携して受診を進める必要があります。
国によっては国立病院のような大きな病院でなければ、就労前健康診断に必要な検査項目を受診できない場合があり、日本と異なる点に注意が必要です。
また、検査項目の漏れがあると、不足項目を再度診断することとなります。定められた全項目を受診してもらえるように、検査項目や受診期間について事前にしっかりと説明しましょう。
特定技能外国人の就労前健康診断にかかる費用
特定技能外国人の就労前健康診断費用は、概ね1万円が相場となります。受診する国や依頼する医療機関によって、かかる費用は変動します。費用は特定技能外国人を受け入れする企業が負担しなければなりません。
特定技能外国人の就労前健康診断で必要な診断項目と書類
就労前健康診断は、必要な項目が定められております。また、受診を証明する「健康診断個人票」に、必要項目の記載が必要です。就労前健康診断の必要項目と注意点、必要書類について紹介いたします。
必要な診断項目
特定技能外国人の健康診断で必要な検査項目は以下の通りです。
- 検査項目
- 個人情報(氏名、性別、生年月日、年齢)
- 検診年月日
- 業務歴及び既往歴
- 自覚症状及び他覚症状
- 身長
- 体重
- BMI(身長・体重より算出)
- 胸囲
- 視力
- 聴力
- 結核等(X線検査)
- 血圧
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
- その他の検査(必要に応じて他の検査が追加される場合がある)
就労前健康診断を実施する上で注意すべきポイント
就労前健康診断を実施する上で、注意すべき点があります。以下に該当していないか、必ず確認しましょう。
- 注意すべき点
- 「胸部エックス線検査」の欄に異常所見がある場合は、喀痰(かんたん)検査を実施し、活動性結核に羅漢していないことを証明すること
- 「医師の診断」の欄は、異常なし、要精密検査、要診療等の医師の診断が記入されていること
- 現在治療中の疾病があるときには、「医師の診断」欄に、現病歴、病名等の医学的に特記すべき病状が記載され、処方されている全ての薬剤について備考欄に記載されていること
必要書類
就労前健康診断に関して必要となる書類は、「健康診断個人票」と「受診者の申告書」の2つがあります。それぞれの内容と注意点は以下の通りです。
健康診断個人票
「健康診断個人票」は特定技能外国人の就労前健康診断で、実施が必要な検査項目の結果を記入する書類です。
書式例が「出入国在留管理庁」から提示されておりますが、書式例の利用は必須ではなく、各病院の書式を利用しても問題ありません。
しかし、書式例に記載された検査項目は全て受診が必須となり、別書式を利用する場合は検査項目の漏れがないように注意が必要です。健康診断個人票に検査漏れや記入漏れがあった場合には、再提出を求められたり、特定技能の在留資格申請が却下される可能性があります。
その他確認するポイントとして、健康診断個人票には検査を担当した医師の署名欄があります。医師からの署名がない場合、特定技能の書類として無効となる恐れがあるため、提出前に確認しましょう。
また、健康診断個人票は申請人である外国人が理解できる言語での作成が必要であり、特定技能の在留資格申請時には日本語訳と一緒に提出しなければなりません。
出入国在留管理庁から、各言語で翻訳された健康診断個人票のひな形が公開されています。
参考:出入国管理|英語及び9か国語による様式について
受診者の申告書
受診者の申告書とは、就労前健康診断を受診するにあたって、通院歴、入院歴、手術歴、投薬歴を偽りなく医師に申告したことを約束する書類です。偽りなく健康状態を申告した証として、受診者の申告書に記入した本人が署名します。
受診者の申告書作成は、健康診断個人票と同じく、外国人が理解できる言語で作成しなければなりません。健康診断個人票と同様に出入国在留管理庁から、各言語で翻訳されたひな形が公開されています。
参考:出入国管理|英語及び9か国語による様式について
また、申告書を作成した時期にも注意が必要です。健康診断で偽りのない申告をしたことを証明する書類であるため、健康診断の受診後の日付でないとなりません。
特定技能外国人の健康診断で企業の注意ポイント
特定技能外国人の健康診断を行う上で、その他に企業が注意するポイントを紹介いたします。
健康診断の結果は必ず確認する
就労前健康診断で健康状態に問題が見つかった場合、特定技能の資格を取得できない場合があります。たとえ在留資格が取得できても、持病や何かしらの健康問題を抱えていたために、早期退職に繋がってしまうかもしれません。
受け入れ企業は、外国人の就労前健康診断結果に問題がないかを必ず確認しましょう。
また、トラブルとならないよう、健康診断の結果によっては在留資格が取得できないことをあらかじめ伝えておくことが大切です。
受け入れ後も定期健康診断の実施が必要
定期健康診断は労働安全衛生規則で定められており、企業の義務として実施が必須となります。特定技能外国人に関しても、日本人従業員と同様、定期健康診断を必ず実施しなければなりません。
費用は企業側が全額負担しなければいけません。費用の相場は概ね5,000円〜15,000円が相場となり、依頼する医療機関や検査項目によって変動があります。
定期健康診断の結果は本人に通知する義務がある
労働安全衛生法により、雇用後の定期健康診断の結果は、企業が診断結果の把握・管理及び、外国人本人へ通知しなければなりません。診断内容に問題があった際には、定期健康診断の結果を通知すると共に、再検査を促しましょう。
まとめ
特定技能外国人の健康状態を確認する健康診断は、受け入れする企業にとって重要な役割を担います。外国人によっては、日本で働きたいという気持ちが強いことから、自身が健康問題を把握していても申告しないケースも考えられます。
受け入れ企業が健康診断の結果をしっかりと把握することで、健康問題によって在留資格申請の承認が降りないといったリスクや、受け入れ後に健康問題による早期退職リスクを軽減できます。
また、特定技能外国人の健康診断に必要な「健康診断個人票」や「受診者の申告書」は、外国人が理解できる言語で作成が必要となります。健康リスクが発生した場合のサポートや説明を行う場合にも、語学力が問われます。
健康診断項目に漏れがないかのチェックや、海外在住の場合には海外での病院で健康診断の受診を促すなど、多くの知識と労力が必要です。
このようなことから自社での対応が難しい場合には、外国人採用のノウハウに長けた、国内の人材紹介会社への相談がおすすめです。健康診断や必要書類の作成をサポートし、受け入れ業務の負担を軽減できるからです。
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