特定技能と特定活動の違いとは?それぞれの目的や対象業種・在留期間の違いについて解説

外国人雇用
公開日:24.05.06/更新日:24.08.22
特定技能と特定活動の違いとは?それぞれの目的や対象業種・在留期間の違いについて解説

外国人が日本で長期間滞在し、就業や留学などの活動をするには、在留資格の取得が必要です。在留資格には多くの種類が存在し、その中に「特定技能」と「特定活動」があります。

これら2つの在留資格は名前が似ていますが、制度の内容は大きく異なっています。この記事では、「特定技能」と「特定活動」の目的や、対象となる業種、在留期間の違いについて紹介します。

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特定技能と特定活動の違いとは

特定技能と特定活動の違いとは

特定技能と特定活動は、創設された目的、就業可能な対象業種、在留期間がそれぞれ異なります。

ビザが創設された目的が違う

特定技能と特定活動は、ビザが創設された目的が異なります。それぞれの制度が創設された目的は次の通りです。

特定技能の創設目的

特定技能は、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性や技能を持っている外国人を受け入れるために創設されました。

即戦力となるスキルを持った外国人を雇用できるため、人材不足解消の手助けとなります。

特定活動の創設目的

特定活動は、留学や特定技能などの法令で定められた在留資格に該当しない、さまざまな在留目的に対応するために設けられました。

特定活動の在留資格は、法改正を必要とせず、法務大臣の指定によって設定されるという特徴があります。法改正には国会での議論や議決など、時間を要しますが、特定活動の在留資格は法務大臣の指定により、その時々の世界情勢に応じて迅速かつ柔軟に対応できます。

近年では、新型コロナウイルス感染症の影響への対応や、東京オリンピックに関連する目的で設定された例もあります。

対象業種・在留期間の違い

特定技能と特定活動では、対象業種や在留期間が異なります。それぞれの特徴や違いを紹介いたします。

特定技能の対象業種・在留期間

特定技能の対象業種は、日本国内での人材確保が困難と認められた分野に限定されています。現在、特定技能の対象となる分野は12分野に及び、これには建設、造船・舶用工業、ビルクリーニング、製造業(素形材・産業機械・電気・電子・情報関連)、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、介護が含まれます。

さらに、特定技能の新たな対象業種として、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を、今後追加する方針が2024年3月時点で決定しています。

特定技能外国人が就業できる業種は、パスポートに添付されている「指定書」に記載されたものに限られます。例えば、「建設」の在留資格を持つ外国人は、分野が異なる「ビルクリーニング」の雇用は認められません。

在留可能期間は、特定技能1号と2号で異なります。特定技能1号は通算で最大5年まで在留が許可されますが、特定技能2号にはそのような制限がありません。したがって、特定技能2号では、より長期にわたって日本での就業が可能です。

特定技能の対象業種については下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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特定活動の対象業種・在留期間

特定活動の対象業種は多岐にわたるため、特定技能の対象業種に当てはまらない企業でも、外国人を雇用できる可能性があります。ただし、特定活動として認定された活動内容によっては、就労が許可されない場合や、就労できる業種や時間に制限があるケースもあるので、注意が必要です。

特定活動の外国人を雇用するかどうかの判断は、外国人が持つ「在留カード」と、パスポートに添付された「指定書」の記載内容で確認できます。在留カードに「就労制限の有無」または「資格外活動許可」の記載があり、かつ指定書に記載された産業分野や労働時間などの条件が企業の要件と合致している場合、雇用が可能です。

特定活動の在留期間は、3ヶ月から5年までと幅広いです。在留期間の更新可否は、特定活動の内容によって異なります。在留期間は、在留カードやパスポートで確認できます。

企業が人手不足を補うための「特定技能」

企業が人手不足を補うための「特定技能」

特定技能は、日本の企業が人材不足を補うために、外国人を即戦力として雇用できる在留資格の制度です。特定技能の種類や、特定技能外国人を雇用するメリットについて紹介します。

特定技能の種類

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類の在留資格があり、求められるスキルや在留期間の制限などが異なります。

特定技能1号

特定技能1号は「特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」です。即戦力となる知識やスキルを持っている状態で雇用できます。

出入国在留管理庁の調査によりますと、令和5年6月末時点で、日本全国で173,089人の特定技能1号の外国人が活躍しています。

参考:特定技能在留外国人数の公表等 | 出入国在留管理庁

特定技能2号

特定技能2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格」です。特定技能1号よりも、よりハイレベルな技能や、他の労働者の管理・指導ができるスキルを持っているという特徴があります。

また、特定技能2号には、在留期間に上限がなく、要件を満たせば家族を帯同できるという特徴もあります。

特定技能のメリット

特定技能のメリットは、外国人が即戦力となる知識やスキルを持っていることにあります。

特定技能の在留資格を取得するためには、日本語試験と技能試験の合格が必須条件です。試験に合格していることで、「基本的な日本語コミュニケーションが可能なレベル」と、「業務を遂行するための基本的な知識及び経験」を有していることが証明されます。

また、特定技能は、フルタイム雇用を前提としており、就業時間においても人手不足の解消に貢献が期待できます。

特定技能1号・2号の詳細は下記の記事にて解説しておりますので、あわせてぜひご覧ください。

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目的に応じて選べる「特定活動」

目的に応じて選べる「特定活動」

特定活動は、日本に在留する外国人のさまざまな目的に対応できます。ここでは、特定活動の種類やメリットについて解説します。

特定活動の種類

特定活動にはさまざまな種類がありますが、大きく分けて「出入国及び難民認定法に規定されている特定活動」「告示特定活動」「告示外特定活動」の3種類に分類されています。

出入国及び難民認定法に規定されている特定活動

「出入国及び難民認定法に規定されている特定活動」とは、日本の公私機関で研究や情報処理を行うための在留資格です。「特定研究事業活動」と「特定情報処理事業活動」が当てはまります。公私機関とは、大学や研究所を指し、法務大臣の指定を受けた所に限られています。研究分野についても、法務大臣が指定した分野に限られます。

これらの活動を行う外国人が扶養している家族や子供が、日本で生活するための在留資格「特定研究等(情報処理)家族滞在活動」も、こちらの在留資格に分類されています。

告示特定活動

告示特定活動とは、法務省によって告示された内容に基づいて定められた活動を指します。

「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号に基づき、同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」という名称で告示されています。

告示特定活動の種類は数多くあり、国内外の状況や情勢に合わせて追加、廃止されています。告示特定活動の中で就業が認められているものの例として、「インターンシップ」や「サマージョブ」といった外国の大学生が日本で実習や就労をするための活動、「ワーキング・ホリデー」として知られる、旅行資金を補うために就労できる外国人旅行者の活動、また日本の大学を卒業した外国人が幅広い業種で就労できる「特定活動46号」などがあります。

告示外特定活動

告示外特定活動とは、先に紹介した「告示特定活動」に該当しないが、特別な事情を持つ外国人に対して法務大臣が在留を許可する制度です。これは、日本に入国した時点で自動的に認められる在留資格ではなく、すでに何らかの在留資格を持って日本に在住している外国人が、特定の条件下で告示外特定活動への在留資格に変更され、引き続き日本に在留できるようにするものです。

告示外特定活動の例として、「日本の学校を卒業した外国人が、卒業後に日本での就職活動を続ける場合」や「技能実習生から特定技能1号への在留資格変更を希望しているが、現在の在留期間内に必要な手続きを完了できない外国人への措置(特定技能関連の特定活動)」などがあります。

特定活動のメリット

特定活動には、外国人をフルタイムで雇用できるメリットがあります。「インターンシップ」や「サマージョブ」などは、フルタイムでの活用が可能です。

さらに、特定活動は幅広い業種や職種での雇用が可能な利点を持っています。他の在留資格では業種が限定されていますが、特定活動では業種が細かく指定されておりません。ただし、外国人個々の認められている就労条件は異なりますので、在留カードや指定書の確認は必要です。

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まとめ

「特定技能」と「特定活動」は名称が似ていますが、それぞれの制度内容には大きな違いがあります。

それぞれの制度の特徴やメリットを理解し、活用すれば、より効果的な雇用活動に繋げることができます。

しかし、「特定技能」や「特定活動」の制度は複雑で、さまざまな手続きが必要です。自社での対応が難しい場合には、国内の人材紹介会社への相談がおすすめです。受け入れまでのプロセスを効率化し、受け入れ業務の負担を軽減できるからです。

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