特定技能の公的手続等への同行とは?義務的支援の内容を詳しく紹介

外国人雇用
公開日:24.08.24/更新日:24.08.23
特定技能の公的手続等への同行とは?義務的支援の内容を詳しく紹介

特定技能外国人への支援である「公的手続等への同行」について、「どんな手続きに同行しなければならないのか」「具体的な実施事項や注意点が分からない」といった疑問を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、特定技能外国人への公的手続等への同行に関して、支援すべき内容や手続きの方法、注意点について紹介いたします。

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特定技能は公的手続等への同行が必要

特定技能外国人が日本で生活するためには、入国後に国や地方行政機関に対して公的手続きを行う必要があります。

しかし、これらの手続きは書類の作成や身分証明書の準備が必要であり、行政機関の窓口で提出し、時には口頭でのやり取りも求められます。

これらの手続きは、入国後間もない特定技能外国人にとっては大きな負担です。

受け入れ企業や登録支援機関は、公的手続きへの同行や書類作成のサポートを通じて、特定技能外国人が確実に手続きを完了できるよう支援します。

具体的には、申請先の市区町村役場や窓口への同行、申請担当者との通訳、書類作成の手順案内などの支援を行います。

入国後、公的手続等への同行するまでの流れ

特定技能外国人が日本で快適に生活できるように、入国後にはまず日本のルールやマナーを学ぶための「生活オリエンテーション」を実施します。

その中で、必要な公的手続きについても説明します。その後、実際に手続きを行う際には、届出先へ同行したり、書類作成のサポートを行ったりします。

公的手続等への同行に関する義務的支援

公的手続等への同行に関する義務的支援

公的手続きに同行する際、受け入れ企業や登録支援機関が行う「義務的支援」は5つの項目があります。

特定技能外国人の個々の状況に応じて、関連機関への同行や書類作成のサポートを行います。

雇用契約や受け入れ企業の事項に変更があった場合の届出

雇用契約や受け入れ企業の情報については、特定技能外国人が初めて入社する際に受け入れ企業が出入国管理局に届出を行います。

しかし、その後に雇用契約や受け入れ企業の事項に変更があった場合など、以下の4つのケースでは、特定技能外国人が届出を行います。

  • 届け出を行うケース
  • 所属機関(受け入れ企業)の変更(転職など)
  • 所属機関の所在地変更時の届出(事務所移転など)
  • 所属機関が消滅した際の届出
  • 所属機関との契約終了の届出

公的手続等への同行の義務的支援では、雇用契約や受け入れ企業の事項に変更があった場合など、特定技能外国人が届出を行う際に同行するように定められています。届出は以下の内容で行います。

  • 届け出に関する基本情報
  • 届出先: 出入国管理局
  • 届出までの期間: 届出事由の発生日から14日以内
  • 支援内容: 書類の作成、窓口提出時の同行
  • 手続きに必要なもの: 在留カード

特定技能外国人の住所の届出

住所の届出は、特定技能外国人が「この場所に住んでいる」と公に証明するために行います。市区町村の公共サービスを受けるためにも、住所の届出は必要です。

住所の届出について、14日以内に届出をしなかった場合は20万円以下の罰金が科されることがあります。また、90日以内に正当な理由なく届出をしなかった場合や虚偽の届出を行った場合は在留資格の取り消し対象となってしまうので、期間内に必ず届出を行いましょう。

公的手続等への同行の義務的支援では、特定技能外国人が住所の届出を行う際に、同行するように定められています。

  • 届け出に関する基本情報
  • 届出先: 居住する市区町村の窓口(戸籍課など)
  • 届出までの期間: 住み始めてから14日以内
  • 支援内容: 窓口への同行
  • 手続きに必要なもの: 在留カード

社会保障・保険及び税金に関する手続き

特定技能外国人も、日本人と同様に社会保険に加入し、保険料や税金を納めます。

住民税の納付が普通徴収となる場合(入国後の初年度や年度途中で雇用先を変更した場合など)、納付手続きは外国人自身で行う必要があります。

公的手続等への同行の義務的支援では、納付手続きへの同行と、納付が適切にされているかを確認します。

  • 届け出に関する基本情報
  • 納付先: 金融機関・市区町村役場の窓口、コンビニエンスストアなど(Pay-easy(ペイジー)や口座振替、クレジットカード決済も可能)
  • 納付までの期間: 市区町村によって年4回に分けて期間を設定
  • 支援内容: 納付のサポート、納付の確認
  • 手続きに必要なもの: 納税通知書、納付書

親族関係書類や送金関係書類の準備

特定技能外国人が母国の親族に生活費を送金する場合、その親族が扶養親族と認められることがあります。

その際は年末調整や確定申告で扶養控除の適用を受け、所得税の負担を軽減できるようになります。特定技能外国人が親族扶養を証明するためには「親族関係書類」や「送金関係書類」が必要ですので、これらの書類の準備をサポートします。

  • 親族関係書類の準備に必要な書類
  • 国または地方公共団体が発行した書類の原本(戸籍の附票の写し、旅券の写し等)
  • 外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類の原本(戸籍謄本、出生証明書等)
  • 送金関係書類の準備に必要な書類
  • 金融機関が発行した外国送金依頼書の控え
  • クレジットカード利用明細書(家族カードの場合)
  • 電子決済手段の国外移転依頼書の控え

マイナンバーカードの手続き

特定技能外国人は、在留カードが交付される「中長期在留者」に該当するため、日本のマイナンバーが付与されます。マイナンバーが付与されるのは、居住する市区町村で転入届を行い、住民票が作成された時点です。

住民票作成後、2〜3週間後にマイナンバー通知カードが届きますので、通知カードと同封されている書類を基に、マイナンバーカードの手続きを行います。

受付後、1ヶ月を目安に交付通知書が届くので、指定された窓口で直接受け取ります。

公的手続等への同行の義務的支援では、特定技能外国人がマイナンバーカードの手続きを行う際に、同行してのサポートが求められています。

  • 届け出に関する基本情報
  • 届出先:オンライン申請サイト、対応の証明写真機、受付センター(郵送)のいずれか
  • 届出までの期間:有効期限無し(マイナンバー交付通知書が届いてから、なるべく早くが望ましい)
  • 支援内容:登録や受け取り方、サービス内容や利用方法の案内
  • 手続きに必要なもの:顔写真(サイズや撮影方法について条件あり)
  • マイナンバーカードを活用できるサービス:写真つきの本人確認書類、証明書のオンライン発行、健康保険証(健康保険証は2024年12月2日以降、新規発行が停止され、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されるため、発行が必須の身分証明書となります)

自転車の防犯登録やその他行政手続き

自転車防犯登録や、その他の行政手続き(自動車、バイクの防犯登録など)にも同行します。自転車防犯登録の方法について紹介します。

  • 届け出に関する基本情報
  • 届出先:居住都道府県の自転車販売店。「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある店舗にて手続きできます。
  • 届出までの期間:自転車を購入してすぐ
  • 支援内容:自転車販売店に同行
  • 手続きに必要なもの:身分証明書(在留カードやパスポート)

公的手続等への同行に関する任意的支援

公的手続等への同行に関する任意的支援

公的手続等への同行において、実施した方が良いとされる「任意的支援」を紹介いたします。

国民健康保険や国民年金の手続きへの同行

公的手続等への同行に関する任意的支援としては、国民健康保険や国民年金の手続きへの同行が挙げられます。

受け入れ企業が「健康保険や厚生年金保険」に加入していない場合、特定技能外国人は個人で国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。

この手続きは個人で行うものですが、特定技能外国人だけで手続きを完了するのは難しいため、同行が望ましいとされています。

  • 届け出に関する基本情報
  • 届出先:居住する市区町村の窓口(国保年金課など)
  • 届出までの期間:14日以内
  • 支援内容:窓口への同行、書類作成のサポート
  • 必要書類:顔写真付きの身分証明書(在留カードやパスポート)、健康保険資格喪失証明書(転職などで健康保険からの切り替えを行う場合)、基礎年金番号(持っている人のみ)

公的手続き以外の手続きや契約もサポートした方が望ましい

公的手続き以外にも、スマートフォンの契約や銀行口座の開設、電車やバスの定期券購入など、日本で生活する上で必要な手続きについてもサポートすると良いでしょう。

特にスマートフォンの契約や銀行口座の開設については、日本人とは異なる身分証明書が必要となる場合や、手続きの流れが異なるケースがあるため、事前に問い合わせを行い、スムーズに手続きが進むようにします。

公的手続等への同行に関する注意点

公的手続きにおける同行は、特定技能外国人本人が手続きを行い、受け入れ企業や登録支援機関がサポートする形で行います。特定技能外国人が代理人に手続きを委任する場合は、事前に特定技能外国人が委任状を記入し、身分証明書を代理人に預ける必要がありますので、ご注意ください。

また、手続きの必要性や内容について事前に説明し、特定技能外国人が十分に理解した上で手続きに臨むことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

特定技能外国人の公的手続きは、日本で生活や就労をするために必ず行わなければなりません。

しかしながら、その手続き方法は複雑であり、申請を出す窓口も多岐にわたります。受け入れ企業や登録支援機関は手続きに同行し、担当者とのやり取りや書類の作成など、適切なサポートを提供する必要があります。

これらの手続きなどを自社で対応するのが難しい場合には、国内の人材紹介会社への相談をおすすめします。人材紹介会社は特定技能外国人の受け入れや手続きに関するノウハウを持っており、受け入れまでのプロセスを効率化し、受け入れ業務やその後の手続きに関わる企業の負担を軽減できます。特定技能外国人の公的手続きへの同行や、届出、必要書類の作成などもサポートします。

キャリアリンクファクトリーでも特定技能外国人の受け入れのサポートをしておりますので、特定技能外国人の受け入れをご検討中であれば、ぜひお問い合わせください。

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