企業が直面する人員補充の課題と解決策をケース別に紹介

採用改善
公開日:24.10.06/更新日:24.10.28
企業が直面する人員補充の課題と解決策をケース別に紹介

人員補充に課題を抱えている企業は多いのではないでしょうか。

企業が成長を続けるためには、適切な人員の補充が不可欠です。しかし、人員補充が進まない企業では、人手不足による業務負担の増加や生産性の低下が発生し、ひいては競争力の低下から事業規模の縮小といった負のスパイラルに陥る可能性があります。

この記事では、人員補充が進まない理由と、ケースごとの具体的な対策について詳しくご紹介します。

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人員補充が多くの企業で課題となっている

日本の多くの企業では、人員補充が大きな課題となっています。

2024年1月に実施された「人手不足に対する企業の動向調査」(株式会社帝国データバンク)によると、従業員の過不足状況について「不足」と回答した企業は、正社員で52.6%、非正社員で29.9%に上りました。

従業員不足を感じる企業の割合は増加傾向にあり、2018年の過去最高値(正社員:53.9%、非正社員:34.9%)に迫っています。

これらのデータから、多くの企業が人員補充の課題を抱えていることがわかります。

正社員・非正社員の人手不足割合 月次推移。正社員・非正社員ともに2018年に最高値を黒くしたものの、2020年に大幅に減少。その後、2024年にかけて回復し、現在では正社員52.6%、非正社員29.9%まで上昇。

出典:株式会社帝国データバンク「正社員の人手不足は 52.6% 「2024 年問題」の建設/物流/医療業では約 7 割

人員補充が進まない理由

人員補充が進まない理由

人員補充が進まない理由には、社会的な背景や採用手法の問題が考えられます。ここでは、それぞれの原因について詳しくご紹介します。

日本全体が人手不足の傾向にあり採用活動が難しい

日本では少子高齢化が進み、働き手となる生産年齢人口(15歳~64歳)が減少しています。

2005年の生産年齢人口は8,442万人(総人口の66.1%)でしたが、2020年には7,406万人(総人口の59.1%)まで減少しました。

さらに、2040年には5,978万人(総人口の53.9%)にまで減少すると予測されています。この生産年齢人口の減少は、採用活動の困難さに直結しています。

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

人手不足の影響で採用市場は売り手市場になっている

有効求人倍率の統計からも、「人手不足・売り手市場」であることが明らかです。有効求人倍率とは、ハローワークの求人数を求職者数で割ったもので、1倍を超えると求職者より求人数が多い「人手不足の売り手市場」を示します。

ハローワークの資料によると、2013年11月以降、有効求人倍率は1倍を超え、以降も増加傾向が続いています。(2024年7月時点の全国平均有効求人倍率:1.24倍)

日本の採用市場は長期にわたって売り手市場が続いており、人手不足の状況が顕著です。

参考:ハローワーク「第1-(2)-1図 有効求人倍率と完全失業率の推移

急な人員補充に対応できない

人材獲得競争が激化する中、採用活動のノウハウや効果的な求人手法が不足していると、人員補充はうまく進みません。また、人員補充が必要となるケースによって、取るべき対応も異なります。

そのため、転職市場の動向を正確に捉え、自社の状況や求職者のニーズを把握した対応が求められます。

人員補充が必要となるケース

人員補充が必要となるケース

ここでは、人員補充が必要となるケースについてご紹介します。状況に応じて取るべき対策は異なるため、自社がどのケースに該当するかを確認してみましょう。

慢性的な人手不足による人員の補充

退職者の補充や事業拡大、新規プロジェクトの立ち上げに伴い、計画的に採用活動を行っても人員補充がうまく進まない場合、慢性的な人手不足に陥ることがあります。

この状態が続くと、従業員の業務負担が増加し、生産性の低下や離職者の増加につながる恐れがあります。

期間的な欠員による人員の補充

従業員が産休や怪我、病気などで将来的に復帰予定がある場合でも、職場の状況によってはその期間中に代わりとなる人材が必要になることがあります。

また、企業の繁忙期が年間で一定している場合も、期間限定で人員を増やす必要があります。このような状況では、期間限定で欠員を補充する対応が求められます。

突発的な欠員による人員の補充

従業員が急に退職したり、突発的なクレーム対応が必要になった場合、緊急の人員補充が求められます。こうした状況では、迅速かつスピード感のある対応が必要です。

慢性的な人手不足による長期的な人員補充の対策

慢性的な人手不足による長期的な人員補充の対策

慢性的な人手不足に対処するための、長期的な人員補充の対策をご紹介します。

自社の採用方法や条件を見直しする

整えましょう。

求人募集を広く届けるためには、求人方法の改善が重要です。例えば、求人サイトに掲載する際は、文章や画像を工夫し、求人情報や企業の魅力をしっかりと伝えるようにしましょう。また、給与や福利厚生などの待遇を見直すことも効果的です。

企業の業種や職種によっては、特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用することも可能です。特定技能外国人は、一定の特定技術や専門知識を持っているため、即戦力として期待できます。

ただし、外国人を雇用する場合は在留資格の申請や入国手続きなど、日本人とは異なる手続きが必要です。自社での対応が難しい場合は、外国人採用に特化した人材紹介会社や登録支援機関の活用を検討することをおすすめします。

長期的な雇用は常用型派遣や紹介予定派遣が効果的

慢性的な人手不足には、人材派遣サービスの活用が効果的です。長期的な受け入れを希望する場合は、「常用型派遣」や「紹介予定派遣制度」の利用が適しています。

常用型派遣では、派遣会社に正社員として雇用され、派遣先で勤務します。スタッフは派遣会社と無期限の雇用契約を結んでいるため、派遣期間の制限なく働くことが可能です。

一方、紹介予定派遣は、派遣社員を一定期間勤務させた後、直接雇用を前提とする制度です。派遣社員としての勤務は6ヶ月以内とされ、その後、受け入れ企業と従業員の双方が合意すれば、受け入れ企業での雇用に移行します。

請負・委託を活用し業務の一部を外注化する

自社での人員補充が難しく、人材の定着が困難な場合は、「業務請負」や「業務委託」を検討してみましょう。これらは業務の一部を外注化する方法で、人員の補充や人材の定着活動は依頼先の企業が行います。

業務を外注化することで、人員補充や教育にかかる時間を削減することが可能です。

期間的な欠員による人員補充の対策

期間的な欠員による人員補充の対策

期間的な欠員に対処するための対応策をご紹介します。

自社で期間雇用社員を募集する

自社で期間雇用社員を募集する際にも、採用方法には工夫が必要です。

ただし、雇用期間が短いため、採用活動や入社手続きに過度な時間やコストをかけると、非効率になる可能性がある点に注意しましょう。

人材派遣サービスを活用する

期間限定の欠員補充には、人材派遣サービスの活用が効果的です。

「登録型派遣」は、派遣会社と期限付きの雇用契約を結び、契約期間中は派遣先企業で勤務する形態です。

採用から雇用、契約満了時の退職手続きまでを派遣会社が担当するため、受け入れ企業の手間を省きながら人員を補充できます。

ただし、登録型派遣は同一企業での就業期間が最長3年とされているため、長期の受け入れを希望する場合は、「常用型派遣」や「紹介予定派遣制度」の利用が適しています。

留学⽣やインターンシップ採⽤を進める

留学生やインターンシップ生の採用は、期間限定の欠員補充に効果的です。日本で勉学に励む若く真面目な外国人を、一定の期間で受け入れることができます。

外国人の状況によって勤務可能な時間帯や労働時間の上限は異なりますが、留学生は主に学校の空き時間を利用してアルバイトとして働いています。

インターンシップ生は勤務時間に制限があるものの、日中フルタイムで働けるケースもあります。また、インターンシップ中に適性が認められた場合、大学卒業後に正社員として再採用する可能性もあります。

突発的な欠員による人員の補充への対策

突発的な欠員による人員の補充への対策

突発的な欠員に迅速に対応するための対策をご紹介します。

自社で余剰人員を抱え欠員時のカバーに備える

突発的な欠員が生じると、採用活動を開始しても入社までに時間がかかります。一時的な欠員を補う余裕がない職場では、あらかじめ余剰人員を確保しておくことが有効です。

ただし、余剰人員を抱えることで人件費が増加するため注意が必要です。また、適正な余剰人員の数は状況によって異なるため、適切な調整が求められます。

社内の他部署から一時的な人員応援を行う

人数規模が大きい職場では、突発的な欠員に対して社内の他部署から一時的に人員を応援してもらう方法があります。

ただし、応援が頻繁に行われたり長期化すると、他部署の業務にも支障が生じる恐れがあるため、注意が必要です。

人材派遣会社と提携し急な欠員に対応できる体制を整える

突発的な欠員への対応策としては、人材派遣サービスの活用が非常に効果的です。

派遣会社には多くのスタッフが登録されており、多様な人材をそろえています。そのため、自社で採用するよりも迅速に欠員を補充することが期待できます。

また、派遣会社によっては余剰人員を確保し、素早く人員を補充できるサービスを提供している場合もあります。

あらかじめ人材派遣会社に相談し、雇用条件や業務内容を整理しておくことで、必要な時にスムーズな派遣が可能になるでしょう。

まとめ

人手不足に陥っている職場では、人員補充が早急に求められます。

人員不足の状態が続くと、従業員の負担が増加し、退職者が増える可能性があります。また、人員や時間に余裕がないまま製造を続けると、品質の低下や納期遅れが発生し、顧客満足度の低下から仕事が減るという負のスパイラルに陥る恐れがあります。

人員補充の方法は状況によって異なるため、ケースごとに適切な対策が必要です。

自社での人員補充が難しい場合は、人材派遣会社や人材紹介会社への相談がおすすめです。採用市場に精通し、豊富なスタッフが登録されているため、迅速な人員補充が期待できます。

人員補充でお困りの際は、ぜひキャリアリンクファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

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