製造業で外国人労働者を雇用するには?在留資格別の実態と注意点を紹介

外国人雇用
公開日:23.08.30/更新日:24.08.22
製造業で外国人労働者を雇用するには?在留資格別の実態と注意点を紹介

製造業において外国人労働者の雇用は、人手不足の対策やグローバル化への対応として注目されています。

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、令和4年10月末現在、外国人労働者数は1,822,725人と、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新しております。また、産業別に外国人労働者数の割合を見ると、製造業が485,128人(26.6%)と最も多い割合となっています。

しかし、外国人労働者の在留資格や雇用には様々な注意点があります。外国人労働者の就業には、複雑な在留資格や労働条件に関する法律を遵守しなければなりません。

本記事では、製造業で外国人労働者を雇用する際に知っておきたい在留資格の種類とそれぞれの特徴、雇用までの流れ、そして注意すべきポイントについて紹介いたします。

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外国人労働者の在留資格とは

外国人労働者は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められている在留資格の範囲内において、日本での活動が認められています。製造業で外国人労働者を雇用するためには、適切な在留資格を持つことが必要です。

現在、在留資格は27種類(2023年7月時点)ありますが、在留資格によって就業条件や許可範囲は異なります。就労の可否に着目すると、「就労活動に制限がない在留資格(4種類)」、「在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格(18種類)」、「原則として就労が認められない在留資格(5種類)」の3項目に分けられます。

参考:外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。|厚生労働省

製造業で雇用できる外国人労働者とは

製造業で雇用できる外国人労働者とは

製造業で外国人労働者を受け入れる企業は、自職場のニーズにあった「在留資格」を持った外国人労働者を雇用することが重要です。生産労働者を就業させる場合は、単純作業で就業できる在留資格を持つ外国人労働者を雇用する必要があります。製造業で雇用できる外国人労働者の在留資格は次の通りです。

就労活動に制限がない在留資格

「永住者」、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「定住者」の在留資格を持つ外国人労働者は、就労活動に制限がない在留資格として扱われ、就労の制限がありません。日本人と同様にどんな仕事にも就くことができます。

在留資格の特性上、日本語が堪能で、日本の文化に馴染んだ外国人労働者も多い傾向があります。単純作業労働の就業にも問題がないため、製造業の業務で最も活用しやすいと考えられる在留資格です。

技能実習

技能実習の在留資格を持つ外国人労働者は、製造業で雇用できる可能性がありますが、対象となる職種・作業は限定されています。就業可能な業務は、令和5年3月31日現在で87職種159作業です。

参考:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧

技能実習の在留資格を持つ外国人労働者を就業させる場合、事前に業種や作業内容が就業可能であるかを確認する必要があります。

技能実習は1号・2号・3号の3つがあり、それぞれ就業(実習)できる期間が異なります。

技能実習は1号からスタートし、規定を満たした技能実習生が技能評価試験に合格することで、2号、3号に進むことができます。また、技能実習2号修了者は、特定技能への在留資格の変更が可能となります。

技能実習は、開発途上国の外国人が日本で培われた技能、技術、知識を、日本で業務を行いながら習得するものです。技能実習生として受け入れる条件として、座学研修を受講することが技能実習法で規定されています。

参考:技能実習生の「技能検定」に関する注意点

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特定技能1号

特定技能1号は、技能実習2号からの移行、または、特定技能評価試験・日本語試験に合格することで取得できる在留資格です。雇用期間は最長5年で、対象としている産業分野は、介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野に限定されています。

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留学・家族滞在

留学・家族滞在の在留資格を持つ外国人労働者は、仕事内容の制限や試験がありません。ただし、就労可能時間が1週28時間まで(「留学」の場合で、在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで)の制限があります。これは他の仕事を掛け持ちしている場合、合計での制限となることも注意が必要です。

その他

「特定活動」や「専門的・技術的分野」に分類される在留資格は、限定された就業条件で就業可能です。

特定活動の就業条件の例としては、他の外国人従業員に対して外国語で指導しつつ、自らも同じ業務を行うというものが挙げられます。

「専門的・技術的分野」に分類される在留資格の例としては、技術:製品の開発、品質管理や技術の指導、人文知識:総務・経理・マーケティング・企画、国際業務:翻訳・通訳・語学の指導・広報・宣伝又は海外取引業務です。

上記事例の業務への就業には、有効的な在留資格として考えられます。

製造業で外国人労働者を雇用する流れ

製造業で外国人労働者を雇用する流れ

製造業で外国人労働者を雇用する流れは、以下の通りです。

ステップ1.企業のニーズと外国人労働者の在留資格を選定

製造業における外国人労働者の雇用は、まず企業のニーズや課題を明確にし、どのような職種や作業で外国人労働者を就業させるかを検討することが大切です。就業させる業種や作業に応じて、適応できる外国人労働者の在留資格を選定します。

例として、単純作業で長期雇用を行いたい場合には、仕事内容や雇用期間に制限のない、永住者・本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者が候補として挙げられます。

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ステップ2.在留資格の確認

外国人労働者の雇用を行う前に、適切な在留資格を持っているかを確認する必要があります。在留資格がない外国人労働者を就業させてしまうと、不法就労罪の罪に問われて逮捕される可能性があります。在留資格について理解を深め、取得状況を確認することはとても重要です。

ステップ3.労働条件の調整

外国人労働者との雇用契約においては、労働条件の調整は欠かせません。給与や労働時間、休暇制度、福利厚生など、雇用条件を明確にし、雇用契約書を作成することが一般的です。

契約書は必要に応じて、外国人労働者の母国語で作成すると良いでしょう。また、在留資格に応じて、契約期間・業種・業務内容を明確にすることも重要です。

ステップ4.労務管理とコミュニケーション

外国人労働者を採用した後も、コミュニケーションを図り意思疎通できる関係にすることが重要です。労働条件や職場環境において問題が生じた場合には、話し合いや書面で協議事項を締結するなど、適切な対応を行い円滑な労働環境を整えます。

また、外国人労働者とのコミュニケーションを円滑に行うためには、言語サポートや相互理解を促進する取り組みが必要です。

特に海外から外国人労働者を受け入れる場合、日本の職場環境や文化に慣れるための研修や、言語指導を行う必要があります。業務をスムーズに行うためには、仕事やプライベートなどの様々な面でのサポートが必要です。

ステップ5.在留資格更新のサポート

永住者以外の在留資格は一定期間で更新が必要となります。企業は外国人労働者の在留資格更新手続きをサポートし、継続して働ける環境を整えることが重要です。定期的な面談や労働条件の再確認などを行い、外国人労働者との信頼関係を築きながら長期的な雇用を促進します。

製造業で外国人労働者を雇用する際の注意点

製造業で外国人労働者を雇用する際の注意点

製造業で外国人労働者を雇用する際には、以下のような注意点に留意する必要があります。

法律と労働条件の確認する

外国人労働者の雇用には、日本の労働基準法や外国人雇用管理規程などの法律を遵守する必要があります。適切な労働条件を提供し、健全な労働環境を整えることが求められます。また、特定技能の在留資格を持つ労働者に対しては、該当する産業での技能習得や日本語教育の充実にも努めることが必要です。

文化の違いを理解しコミュニケーションを大切にする

日本人と外国人の文化には違いがあります。外国人労働者との相互理解を促進し、異文化間のコミュニケーションを大切にすることが重要です。異文化理解のトレーニングや交流イベントを企画することで、相互理解が促進される場合があります。

また、外国人労働者とのコミュニケーションには、言語の壁がある場合がほとんどです。コミュニケーションを円滑に行うために、外国人労働者の日本語学習のサポートや通訳者の提供などを検討しましょう。コミュニケーションを大切にすることで、定着率の向上や、業務の理解度が増加し、作業効率や品質基準の向上が期待できます。

安全対策と研修

外国人労働者を安全に作業させるために、安全対策や職場研修を徹底することが重要です。特に、日本の製造業に慣れていない外国人労働者は、事故やトラブルを未然に防ぐための教育が必要です。

外国人労働者は育った文化や教育が異なり、日本人の感覚では「これくらいはわかるだろう」という考えで曖昧な表現やニュアンスで伝えようとすると、意図が伝わらずに取り返しの付かない事態になることもあり得ます。

常識と思われることでも丁寧に説明することや、文化・風習に配慮した職場環境をつくることが重要であると考えられます。また、安全装置や保護具の強化など、物理的な安全性の整備を行うことも効果的です。

まとめ

製造業における外国人労働者の活用は、労働力不足の解消やグローバル市場での競争力強化に繋がることが期待でき、企業の競争力向上に不可欠な要素です。

しかしながら、外国人労働者を雇用するには就業資格の確認と、法令を遵守した雇用が必要となり、雇用後も適切なサポートが不可欠です。

外国人労働者の雇用には手間やコストがかかりますが、外国人労働者の雇用に長けた派遣会社のサービスを活用することで、それらのデメリットは解消できます。

手間やコストを低減しながら外国人労働者の受け入れを進めていきたい場合には、外国人労働者の雇用に長けた派遣会社を選定し、お気軽にご相談することをおすすめします。

キャリアリンクファクトリーは製造業に特化した人材派遣会社です。企業様の課題に合った労働資格を持った外国人労働者の派遣や派遣後のサポートが充実しております。もし、派遣会社をお探しでしたら、お気軽にご相談ください。

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