派遣社員の導入時に知っておきたい基礎知識と6つの注意事項を紹介

人材派遣
公開日:23.05.12/更新日:24.08.22
派遣社員の導入時に知っておきたい基礎知識と6つの注意事項を紹介

人手不足の解消やミスマッチ抑制のために、派遣社員の導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

派遣社員の導入は、自社採用の手間・コストの軽減、雇用後のミスマッチ抑制、経験者・有スキル者の早期確保が期待できるなど、多くのメリットがあります。
派遣社員を導入するには法令でルールが定められており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(派遣労働法)」を遵守する必要があります。

この記事では、派遣社員の導入に向けて知っておきたい基礎知識、導入するメリット、注意事項、導入するまでの流れとポイントを紹介いたします。

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派遣社員の導入に向けて知っておきたい基礎知識

ここでは、人材派遣について知っておきたい基礎的な内容を紹介いたします。

人材派遣とは

人材派遣とは、派遣会社と雇用契約を締結した労働者(求職者)が、派遣先企業で指揮命令を受けながら働く雇用形態です。

雇用契約は派遣会社と行っているため、給与支給・社会保険・福利厚生などの雇用に関する内容は派遣会社が行い、派遣先企業では業務に関する指示や命令を行います。

直接雇用と派遣社員の雇用(間接雇用)の違い

直接雇用は企業と労働者が直接雇用を結ぶ雇用形態で、正社員・契約社員・アルバイト・パートなどさまざまな雇用形態があります。

正社員で労働契約に期間の定めがない無期雇用契約を行うことや、契約社員で労働契約期間が定められた有期雇用契約を行うことができます。

派遣社員の雇用は間接雇用と表現され、派遣先企業と労働者の間に第三者である派遣会社が介在するため、労働者と派遣先企業の間に直接的な雇用関係が発生しません。また、派遣労働法で派遣できる期間が定められており、多くの場合に有期雇用となります。
※無期雇用が可能なケースもあります。

派遣形態

派遣形態は「登録型(一般)派遣」「常用型派遣」「紹介予定派遣」の3種類があります。

登録型(一般)派遣とは、派遣社員が一定期間(最長3年)の間、派遣先で就業できる派遣形態です。派遣社員と派遣会社は、派遣期間中の有期雇用とすることが一般的です。派遣の多くは登録型派遣となっており、一般派遣と表現されることもあります。

常用型派遣とは、派遣会社が無期雇用契約を行っている派遣社員を派遣する形態です。登録型(一般)派遣と異なり派遣期間に制限が無いため、長期就業が可能です。

紹介予定派遣とは、派遣先企業に正社員や契約社員などの直接雇用されることを前提に、一定期間(最大6ヶ月間)派遣社員として就業し、派遣期間終了後に派遣社員と派遣先企業の双方で合意されれば、派遣先企業の正社員や契約社員に切り替える派遣形態です。登録型・常用型派遣と異なり、事前に面接を実施することができます。

派遣期間中の派遣料金と、直接雇用する場合にかかる紹介手数料を派遣会社に支払うことが一般的です。

人材派遣の費用については下記の記事にて詳しく紹介しております。是非合わせてご覧ください。

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派遣社員を導入するメリット

ここでは、派遣社員を導入するメリットを紹介いたします。

人手不足の解消が期待できる

派遣会社には多くの派遣社員が雇用・登録されており、派遣社員の導入を行うことで、人手不足の解消が期待できます。同業種の経験がありスキルのある派遣社員とマッチングすることができるケースもあります。繁忙期や突発的な業務の対応で期間的に人手が必要な場合には登録型(一般)派遣を依頼し、長期的に人手が必要な場合には常用型派遣や紹介予定派遣の依頼を行うことが有効的です。

紹介予定派遣では、実際に働いている様子を見た後で直接雇用を行えるので、直接雇用後のミスマッチが起こりにくくなります。

製造業は有効求人倍率2.06倍と人手不足業界の代表です。人手不足解消には人材派遣は選択肢に入れたい手段のひとつでしょう。

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採用・雇用に関わる手間とコストが低減できる

採用・雇用を行うには、求人募集・面接対応・入社手続き・労務管理・退職処理など、膨大な手間と広告費や人件費などのコストが発生しますが、派遣社員を導入することで、求人や雇用に関することは派遣会社が行うため、自社の手間やコストを大幅に低減できることが期待できます。

派遣社員の導入は成果報酬である場合が多く、間接雇用にいたらなかった場合は手間や費用が発生しないこともメリットの一つです。

派遣社員を導入する際の6つの注意事項

派遣労働者の保護と雇用の安定を図るため、派遣労働法が定められており、派遣社員を導入するには、派遣先・派遣元ともに派遣労働法を遵守する必要があります。
派遣社員を導入する際に派遣先が気をつける代表的な6つの注意事項を紹介いたします。

  • 代表的な6つの注意事項
  • 派遣社員を導入できない業種がある
  • 派遣社員を導入(受入)できる期間に制限がある
  • 派遣社員への事前面接は禁止されている
  • 派遣先責任者の選任が必要
  • 派遣先管理台帳の作成が必要
  • 労働契約申込みみなし制度がある

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1 派遣社員を導入できない業種がある

派遣労働法で労働者派遣事業を行うことができない業務(適用除外業務)が定められており、事前確認が必要です。

労働者派遣事業を行うことができない業務:港湾運送業務、建設業務(事務員やCADオペレーターなどの一部業務は派遣可)、警備業務、医療業務、士業(弁護士、司法書士、管理建築士など)

参考情報:厚生労働省「労働者派遣事業を行うことができない業務は・・・」

2 派遣社員を導入(受入)できる期間に制限がある

派遣先の派遣受入期間には制限があり、派遣受入期間制限を超えて労働者派遣を受け入れることはできません。派遣会社との派遣契約を締結する際には、派遣受入期間の制限に抵触しない範囲内で派遣期間を定める必要があります。

※派遣受入期間の制限(派遣先事業所単位の期間制限):最長3年
※以下の人・業務は例外として期間制限の対象外となります。

  • 期間制限の対象外の例
  • 派遣元で無期雇用されている派遣社員
  • 60歳以上の派遣社員
  • 有期プロジェクト業務
  • 日数限定業務
  • 産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務

3 派遣社員への事前面接は禁止されている

派遣先が事前面接等により派遣社員を特定して受け入れることはできません。

労働者派遣法第26条第7項で、派遣先はいわゆる事前面接などの派遣社員の特定目的行為(事前面接、履歴書送付、若年者限定など)を行ってはならないと定められております。

派遣社員の雇用先は派遣元会社であり、面接を実施して採用の可否を決めるのも派遣元会社となります。
※紹介予定派遣の場合は事前面接可能です。

4 派遣先責任者の選任が必要

派遣先責任者とは、派遣元との連絡対応・派遣社員との窓口・派遣先管理台帳の管理作成などを行う、派遣社員が安心して働けるように管理する責任者のことです。労働者派遣法第41条でその役割が定められております。

派遣先責任者は派遣社員100人につき1人以上を派遣先社員から選任(他事業所の派遣先責任者と兼任不可)する必要があります。

※直接・間接雇用者の合計が5名以下の場合、派遣先責任者の選任は不要です。
派遣先責任者は、労働関係法令に関する知識を有する、人事・労務管理について知識・経験を有する、派遣労働者の就業について権限を有するなど、職務を的確に遂行することができる者を選任すると定められております。

5 派遣先管理台帳の作成が必要

派遣先管理台帳とは、派遣先企業が派遣社員の就業状況を記録する書類です。
派遣先には、派遣先管理台帳の作成・更新・保存・派遣元企業への通知が義務とされています。

派遣先管理台帳は派遣社員ごとに作成し、労働日や労働時間、業務内容などが記載され、派遣契約終了日から3年間保管する必要があります。

6 労働契約申込みみなし制度がある

労働契約申込みみなし制度とは、派遣先が違法派遣と知りながら派遣社員を受け入れている場合、派遣先が派遣社員に対して、直接雇用の申込みをしたものとみなされる制度です。

違法派遣とは、派遣社員を導入できない業種に従事させる、無許可・無届出の派遣会社から派遣社員を受入する、派遣期間制限に違反して派遣社員を受入する、偽装請負などが該当します。

派遣先が違法派遣に該当することを知らず、知らなかったことについて過失がなかった場合は、労働契約申込みみなし制度は適用されません。

セルフチェックができる厚生労働省の「派遣社員を受け入れるときのポイント」を併せて確認することも有効的です。

派遣社員を導入するまでの流れとポイント

派遣社員を導入するにはどのように進めていくのか、基本的な流れとポイントを紹介いたします。

1 派遣会社の選定

派遣社員を導入するにあたって、まずは派遣会社を選定します。

派遣会社によって採用力や派遣可能範囲が異なりますので、派遣会社のHPから会社の特徴や拠点を確認し、希望する派遣社員の紹介に強みを感じる会社を選定していきます。

派遣会社の選定で最も重要なことは、法令を遵守しているか確認することです。派遣労働法は派遣先・派遣元共に遵守する必要があり、法令を遵守していない派遣会社からの派遣社員の導入は違法派遣になります。

中でも、派遣事業で必要である「派遣元責任者」や「労働者派遣事業許可」の取得確認は重要です。また、厚生労働省が労働者派遣事業に関する法令を遵守しているだけでなく、派遣労働者のキャリア形成支援など、派遣労働者と派遣先の双方に安心できるサービス基準を満たした事業者をとして認定する制度である「優良派遣事業者」の取得確認も有効的であると考えます。

2 派遣会社に求人条件を伝えて依頼

選定した派遣会社に条件を伝えて依頼します。仕事内容・時間・求める人物像など具体的に詳細を伝えていきます。派遣会社と募集条件や職場環境を共有することは、派遣会社が派遣社員のマッチングを行う上で重要となりますので、依頼した派遣会社から詳細についてヒヤリングされる場合があります。

3 派遣社員のマッチング・顔合わせ・職場見学

派遣会社にて求人条件に合う派遣社員を選別し、派遣先企業に紹介(マッチング)します。派遣先企業はマッチング結果の確認を行います。派遣先による派遣社員への事前面接は禁止されているので、注意が必要です。(※紹介予定派遣の場合は事前面接可能)

派遣社員の希望があれば派遣社員と派遣会社の営業担当、派遣先企業の人事担当で顔合わせを行い、就業予定の職場を見学します。

4 派遣契約と受入準備を行い派遣社員の勤務開始

派遣社員が決定したら、派遣会社から派遣社員を導入する契約を締結し、勤務開始となります。
事前に派遣社員の就業期間や担当業務を社内周知し、備品やマニュアルを用意するといった受入体制を整えておくことで、スムーズに勤務開始することができます。

まとめ

派遣社員を導入することで、人手不足の解消や手間・コストの低減に期待ができます。

派遣労働法をしっかりと遵守しながらスムーズに派遣社員の導入を進めるためには、人材派遣に関する基礎知識を理解し、パートナーとなる派遣会社の選定が重要です。

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多数の派遣実績を持ち、多くのお客様に満足していただいております。今回紹介したような派遣労働法を遵守はもちろん、企業様ごとに合ったご提案をいたします。人手不足でお悩みでしたら、ぜひご相談下さい。

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