インドネシア人の出稼ぎ労働者が日本で急増している背景と雇用・採用するメリットを紹介

人材派遣
公開日:23.11.12/更新日:24.08.22
インドネシア人の出稼ぎ労働者が日本で急増している背景と雇用・採用するメリットを紹介

日本で働くインドネシア人が近年急増しております。厚生労働省発表の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、日本で働くインドネシア人労働者は令和4年10月時点で約7.8万人となっております。

インドネシア人の数は外国人労働者全体の割合でみると約4.3%とまだまだ小規模ですが、注目すべきはその増加数です。前年対比で労働者数は約2.5万人増の148%となっており、その増加率は外国人労働者全体で1番高い数値となります。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省

日本で働くインドネシア人が近年急増している背景には、インドネシア人と日本企業の双方にとって多くのメリットがあり、年々ニーズが高まっているからです。

この記事では、インドネシアの基本情報から、雇用するメリットや注意点を詳しく紹介いたします。

人手不足にお悩みで外国人雇用を検討している、もしくはインドネシア人に興味のある方は是非参考にしてみてください。

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雇用が進むインドネシア人の基本情報

雇用が進むインドネシア人の基本情報

インドネシアとはどのような国なのでしょうか。まずは基本情報をみていきましょう。

参考:インドネシア基礎データ|外務省

インドネシアの面積と位置

インドネシアは約18,000もの島々からなる世界最大の島嶼(とうしょ)国家です。面積は約192万km²(平方キロメートル)で、日本の面積と比較すると約5倍の大きさを誇ります。主要な島としては、ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島、パプア島などが挙げられます。

東南アジアのインド洋と太平洋の間に位置する国で、赤道直下の熱帯気候の国として知られています。インドネシアの北部はマレーシアやフィリピンと接しており、西側はインド洋、東部は太平洋、南部にはティモール海が広がります。

インドネシアの人口と民族・宗教

インドネシアの人口は約2.7億人(2020年、インドネシア政府統計)で、世界第4位の人口大国です。また、総人口の約5割が30歳未満という人口年齢が若い国という特徴があります。

約300もの民族が混在する多民族国家で、主な民族はジャワ人、スンダ人、マダン人、バタク人が挙げられます。

国民のほとんどが何かしらの宗教に属しており、イスラム教が86.7%と多くの割合を占めておりますが、キリスト教、ヒンズー教、仏教、儒教と、様々な宗教が混在している状態です。

インドネシア人の文化

インドネシアはアジアの中で独特の多様性を持つ国家です。17,000以上の島から成るこの国には、数多くの民族、言語、文化が存在します。ジャワやバリには伝統的なダンスがあり、ガムランと呼ばれる民族音楽も人気があります。食文化では、ナシゴレンやサテが有名です。

インドネシア人の言語

インドネシアの言語は、公用語であるインドネシア語のほか、地理的な広がりと多くの民族が存在するため、500以上の言語が使われております。

また、インドネシアには多くの日系企業があります。そのため、日本語を使える・学習している人も多く存在します。

インドネシア人の所得と雇用事情

経済発展が著しいインドネシアは首都ジャカルタを中心に物価上昇に伴い平均年収は上昇傾向ですが、それでも尚インドネシア国内の所得は低いのが実態です。

インドネシア中央統計庁によると、2022年2月時点のインドネシア国内の平均年収は3,990万ルピア、日本円換算で約38万3,000円です。更に地方都市では更に給与水準は下がってしまいます。

インドネシア国内の雇用情勢は回復傾向にあるものの、若年層の雇用が進んでいない実態があります。2022年のデータによると、15~24歳層の23.2%が就学・就労・職業訓練のいずれの活動も行っておらず、非労働力となってしまっています。

日本で働くインドネシア人が増加する背景

日本で働くインドネシア人が増加する背景

日本で働くインドネシア人が増加する背景には、給与や生活面でのメリットや、日本政府が外国人労働者の受け入れを拡大したことが挙げられます。それぞれ紹介いたします。

給与面・キャリア構築のメリット

インドネシアの平均年収は経済発展と共に上昇傾向にあるものの、まだまだ給与水準は低い状態です。国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円となっており、インドネシアの平均年収(約38.3万円)と比較すると約11.6倍もの差があります。日本で働くことで、インドネシアで働くよりも多くの給与を稼げると考えられております。

また、インドネシアには多くの日系企業が存在します。JETROの調査によると、2020年時点で約1,500社もの日系企業がインドネシアにあり、世界5位の日系企業が多い国です。

そのため、日本で働いた経験や日本語学習は母国に帰国した後のキャリア構築に繋がる可能性があり、日本で働きたいと考えるインドネシア人が増加する一因となっております。

生活・労働環境のメリット

日本は世界的にも治安が良く、衛生的で生活しやすい国とされております。安心して生活ができる日本は、出稼ぎ国として人気があり、インドネシア人にとってもメリットと考えられております。

仕事のおける教育環境や安全対策も進んでおり、日本の生活や労働環境に魅力を感じるインドネシア人が増加しているのです。

特定技能の導入で外国人労働者の受け入れを拡大

日本政府は外国人労働者受け入れ制度の拡大を目的に、2019年4月に「特定技能」の在留資格を新たに導入しました。

特定技能とは、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的に創設された在留資格です。特定技能の在留資格が新設されたことで、外国人労働者が就業できる業種や在留期間が拡大しました。特定技能が導入されたことでインドネシア人の雇用の枠が広がっており、今後日本で働くインドネシア人はますます増加すると考えられます。

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インドネシア人を雇用する3つのメリット

インドネシア人を雇用する3つのメリット

インドネシア人の雇用が増加する背景には、受け入れ側である日本企業の明確なニーズが存在します。ここでは、インドネシア人を雇用する日本企業のメリットを紹介いたします。

若者労働力の雇用が期待できる

インドネシアは人口約2.7億人が居住している世界第4位の人口大国です。また、総人口の約5割が30歳未満で人口年齢がとても若い国となっております。

一方、日本人は少子高齢化が進んでおり、労働力人口が年々減少傾向です。平均年齢は49歳と世界で2番目に高齢化が進んだ国となっており、特に15~34歳の若者労働者の減少が大きな課題となっております。

インドネシア人の雇用を進めることで、日本の労働力不足を補うだけでなく、多くの若者の雇用が期待できます。

日本語の学習意欲が高く言語の問題が解消されやすい

インドネシアには多くの日系企業が存在します。日本で働いた経験や日本語学習は母国に帰国した後のキャリア構築に繋がる可能性があるため、既に日本語を学習している人や、日本語学習の意欲の高い労働者の雇用が期待できます。

そのため、外国人労働者の雇用は言語の問題がよくありますが、日本語学習の意欲が高いインドネシア人を雇用することで問題になることも比較的少ないでしょう。

他民族国家で日常生活を過ごしておりコミュニケーション能力が高い

インドネシアは、数千の島々から成る多様な国で、異なる民族、宗教、言語が共存しています。

この多様性は、人々が異なる文化を尊重し、受け入れる文化を根付かせています。多様なバックグラウンドを持つ人々と積極的に対話することは、インドネシア社会の一部として育った人々にとって当然のことなのです。

そのため、異なる民族背景を持つ人々とのコミュニケーションに慣れており、日本の生活や就労においてスムーズに慣れ親しめることが期待できます。

インドネシア人を雇用する方法

インドネシア人を雇用する方法

インドネシア人の雇用は、特定技能の在留資格がおすすめです。特定技能の在留資格は国内人材の確保が難しい様々な産業分野において、長期的に外国人労働者を雇用できる在留資格です。

特定技能でインドネシア人の雇用を進めることで、国内・現地(インドネシア)の両方で幅広く雇用活動を行うことが可能です。

特定技能でインドネシア人の雇用を国内で進める方法

特定技能によるインドネシア人の雇用方法は、日本国内に在留する人材から雇用が可能です。

特定技能の在留資格を取得するには、「必要な技術」と「日本語能力水準」のそれぞれで必要な基準を満たす必要があります。しかし、いずれの基準も、技能実習2号を修了した外国人は試験等免除となり、特定技能の在留資格を取得可能です。

厚生労働省の「外国人雇用状況(令和年10月時点)」によると、日本に在留するインドネシア人の内、技能実習の在留資格を持つ割合が55%と全体で最も多い割合となっています。つまり、国内には特定技能の在留資格を取得できる可能性があるインドネシア人が多く在留していることが分かります。

在留資格人数割合
技能実習43,145 55.4%
専門的・技術的分野の在留資格17,599 22.6%
身分に基づく在留資格6,940 8.9%
特定活動4,272 5.5%
資格外活動5,933 7.6%
全在留資格計77,889 100.0%

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省

特定技能でインドネシア人の雇用を現地で進める方法

特定技能でインドネシア人を雇用する方法として、現地(インドネシア)で進める方法があります。

現地(インドネシア)は人口約2.7億人が居住している世界第4位の人口大国です。人口がより多い国で雇用活動を行うことで、多くの労働者を雇用できる可能性があります。

また、現在日本に在留するインドネシア人の多くが技能実習の在留資格を取得しております。技能実習生は特定技能と同じく現地(インドネシア)で募集ができますが、技能実習の目的は実習であり、人手不足解消のための労働ではありません。

受け入れできる業種も限定されており、単純労働作業への就業は禁止されているので注意が必要です。

自社で雇用活動が難しい場合には

インドネシア人の雇用は、現地エージェントとの連携や申請書類の作成など、ハードルが高いことも事実です。自社で対応が難しい場合には、インドネシア人の紹介に強みのある、もしくは外国人派遣を得意とする人材紹介会社を活用すると良いでしょう。

自社にインドネシア人の雇用に関する知識やノウハウが無い状態でも、優秀なインドネシア人材の紹介が期待できます。

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まとめ

インドネシア人の雇用は、若者の労働力を確保し人手不足の解消を期待できる有効的な手段です。

言語やコミュニケーションの問題も解決しやすく、雇用する企業にとって多くのメリットが期待できます。そんなインドネシア人への企業ニーズは年々高まっており、近年急増しているのです。

また、インドネシア人の雇用は特定技能の活用がおすすめです。雇用を自社で進めることが難しい場合には、インドネシア人の紹介に強みのある、もしくは外国人派遣を得意とする人材紹介会社へ相談すると良いでしょう。

受け入れニーズに応じての提案を受けられるほか、外注化することで採用に関する自社の負担を削減できるからです。
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