外国人採用は日本語能力の確認や教育が大切!具体的な方法を紹介
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外国人を採用する際に重要なポイントのひとつが、日本語能力の確認です。日本語でのコミュニケーションが円滑に行えるかどうかは、職場環境や業務の効率に大きく影響を与えます。
しかし、履歴書や面接だけでは本当に必要な日本語力があるか判断するのは難しいことも。この記事では、外国人の日本語能力を適切に確認する方法や、採用後に日本語力を向上させるための対策について、具体的にご紹介します。
外国人を採用する前に日本語能力を確認する方法
外国人を採用する前に、しっかりと日本語レベルを確認しましょう。
求人要件に「日本語が話せること」としている場合、外国人の履歴書や経歴書に「日本語が使える」といった表現が記載されていても、実際には求めている日本語レベルに達していないことがあります。これは、「日本語が話せる」や「使える」という表現の理解が人によって異なるためです。
ここでは、外国人の日本語能力を確認する方法を紹介します。
日本語能力の検定試験で確認する
外国人が日本語能力の検定試験に合格している場合、日本語能力を確認する指標になります。
日本語能力の検定試験はいくつか種類がありますが、中でも参考になるのが「日本語能力試験(JLPT)」です。日本語能力試験(JLPT)の詳細は後述します。
面接時に日本語の課題を出して確認する
外国人が日本語能力の検定試験を取得していない場合には、自社で作成した日本語の課題を出すことで、外国人の日本語レベルを確認できます。
自社の採用で求める日本語レベルに合わせてテストを作成できるので、初級レベル(基本的な挨拶や日常会話など)・中級レベル(業務連絡や指示の理解など)・上級レベル(複雑な業務内容の理解や交渉能力など)の問題をアレンジして作成しましょう。
課題のジャンルは、筆記・聴解・会話に分けて出題し、各ジャンルのテストをバランスよく組み合わせることで、総合的な日本語能力を評価できます。
テストの結果を基に、採用や配属、さらには入社後の日本語教育計画の立案に活用できるでしょう。
面接で直接会話をして判断する
面接で外国人と直接会話をして、日本語能力を判断します。
面接は口頭での会話が中心となるので、筆記は苦手でも聴解や会話はできるという外国人にとっては、日本語のコミュニケーション能力を発揮できる場合があります。
日本語能力の確認基準が面接官の主観とならないよう、事前にチェックリストや評価基準を用意し、なるべく同じ基準で日本語レベルを判断できるようにしましょう。
日本語能力試験(JLPT)とは
日本語能力の検定試験で参考にしやすい「日本語能力試験(JLPT)」の概要と評価基準、他の検定試験との違いを紹介します。
日本語能力試験(JLPT)の概要
日本語能力試験(JLPT)の概要は以下の通りです。
- 日本語能力試験(JLPT)の概要
- 主催: 国際交流基金と日本国際教育支援協会の共催
- 目的: 日本語を母語としない人の日本語能力を測定・認定
- 試験内容: 言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解
- 実施時期: 日本国内は年2回実施(海外は場所によって年1回の実施)
- 実施場所: 日本国内の47都道府県、海外の複数の国と地域で実施
- 公式HP: https://www.jlpt.jp/e/policy.html
日本語能力試験(JLPT)の評価基準
JLPTの評価レベル(N1〜N5)は、N1が最も難しく、N5が最も易しいレベルです。各レベルでは言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の問題が出題されるため、日本語能力が総合的に測定されます。
- 日本語能力試験(JLPT)の評価基準
- N1: 複雑で抽象的な内容の長文を読み、論理構造を理解し、筆者の意図を正確に把握できる。
- N2: 一般的な社会問題に関する新聞記事や評論を読んで、主要な論点を理解できる。
- N3: 日常生活に関連する具体的なトピックについて書かれた文章を読んで、要点を把握できる。
- N4: 身近な話題について書かれた短い文章を読んで、基本的な情報を理解できる。
- N5: ひらがな、カタカナ、基本的な漢字で書かれた非常に簡単な文や定型的な表現を理解できる。
日本語検定や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)との違い
「日本語検定」と「日本語能力試験(JLPT)」は名前が似ており混同されやすい検定試験ですが、「日本語検定」の対象者は主に日本語母語話者であり、実施場所も日本国内のみです。取得している外国人が少なく、日本語レベルの確認には適しません。
類似する日本語検定としては「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」がありますが、評価レベルが単一であり、現時点では海外で受験できる地域が限られているため、取得している外国人が少ない状況です。
一方、「日本語能力試験(JLPT)」は、海外の多くの国や地域で試験が実施されており、試験レベルも5段階で設定されていることから、外国人にとって取得しやすい日本語試験であるといえます。
日本語能力試験(JLPT) | 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) | |
---|---|---|
対象者 | 日本語を母語としない人 | 主に就労目的で来日する外国人 |
目的 | 日本語能力の測定と認定 | 日本での生活に必要な日本語コミュニケーション能力の測定 |
レベル | N1〜N5の5段階 | 1レベルのみ |
試験内容 | 言語知識、読解、聴解 | 日本での生活場面に焦点を当てた実用的な日本語能力 |
特徴 | 国際的に広く認知されている | 生活・就労に必要な日本語能力を測定 |
実施場所 | 日本国内47都道府県、海外約80の国と地域 | 日本国内および海外(ベトナム、フィリピン、中国など)のCBT会場 |
日本語能力の高い外国人を採用する方法
日本語能力の高い外国人を採用する方法を紹介します。
日本語能力試験(JLPT)のN1またはN2レベルを要求する
外国人に日本語能力試験(JLPT)のN1、N2レベルを要求します。N1、N2レベルに合格している外国人であれば、ほとんどの場合において日本語レベルに問題はありません。
ただし、N3~N5の外国人や、日本語能力はあるものの日本語能力試験(JLPT)を受けていない外国人が対象から外れてしまうので、注意が必要です。
日本で生活経験のある外国人を採用する
「日本語能力試験(JLPT)のN1またはN2レベル」の外国人採用が難しい場合、日本での生活経験がある外国人採用を検討しましょう。
「身分・地位に基づく在留資格(永住者や定住者など)」を持つ者は、日本で生活経験があり、日本語能力が高く、文化的にも馴染みがあることが期待できます。これらの在留資格を持つ者は活動範囲や在留期間に制限がなく、様々な職場で就業できます。
「技能実習」の在留資格も同じく日本で生活経験がありますが、技能実習生は実習が目的の在留資格です。単なる労働力としての活用は認められませんので、業務内容には注意しましょう。
在留資格「特定技能」で外国人を採用する
「日本語能力試験(JLPT)のN1またはN2レベル」や、「身分・地位に基づく在留資格(永住者や定住者など)」を持つ外国人の採用が難しい場合、「特定技能」を持つ外国人の採用がオススメです。
「特定技能」の在留資格を取得するには、日本語能力試験(JLPT)でN4以上、もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。また、特定産業分野ごとの「技能試験」に合格する必要がありますので、日本語や特定産業分野の知識を持っており、即戦力としての活躍が期待できます。
特定技能制度は、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度であり、労働力として外国人を採用できます。
外国人を採用した後に日本語能力を向上させる方法
日本語レベルの高い外国人を採用できれば理想的ですが、そうでない場合でも採用後に日本語能力を向上させることが可能です。
採用後に外国人の日本語能力を向上させることで、採用の難易度が低くなり、受け入れがしやすくなります。
また、日本語教育を行ってくれる企業は外国人にとっても魅力的であり、口コミや知人の紹介によって企業価値の向上にも繋がります。
日本語学習機会の提供は手間やコストがかかる場合がありますが、採用した外国人の日本語レベルが上がることで、職場のコミュニケーションが向上し、業務の効率化が期待できます。
以下に、外国人を採用した後に日本語能力を向上させる方法を紹介します。
日本語学校や教室、オンラインの日本語学習プログラムを活用する
日本語学校や日本語教室、オンラインの日本語学習プログラムなど、外部サービスを活用して、採用した外国人に日本語学習の機会を提供します。
日本語学校や日本語学習プログラムにかかる費用を外国人が負担する場合、事前に具体的な金額を伝え、申し込みの合意を得るようにしましょう。
また、ボランティアによる無償の日本語教室が実施されている地域もあるので、該当するサービスがないか検索してみましょう。
受け入れ企業が外国人に日本語研修を行う
自社で日本語研修を行うことも、外国人の日本語能力向上に繋がります。
外部サービスを活用するより手間がかかるかもしれませんが、職場に適した日本語を優先的に教育できる利点があります。
また、日本人従業員と外国人を交流させることで、コミュニケーションの向上が期待できます。
日本語学習の教材を提供する
日本語学習教材の提供も、外国人の日本語能力向上に繋がります。
仕事が終わった後に外国人が独学で勉強したり、社内の日本語研修を教材に沿って進めることができます。
日本語学習の教材は、文部科学省や国際交流基金がインターネットで無償提供していますので、これらの活用をオススメします。
参考:文部科学省「つながるひろがる にほんごでのくらし」「日本語教育コンテンツ共有システム」、国際交流基金「いろどり 生活の日本語」
まとめ
外国人を採用する際、日本語能力の確認は職場でのコミュニケーションや業務効率に直結する重要な要素です。面接や課題を通じて実際の日本語力を確認することが有効です。また、採用後に日本語能力を向上させるための研修や学習支援を行うことで、外国人材の戦力化が図れます。
日本語能力の高い外国人を採用できれば理想的ですが、難しい場合は、外国人採用に特化した人材派遣や人材紹介サービスの活用がオススメです。
外国人採用に特化したノウハウを持っており、短期間で日本語レベルの高い外国人材の確保や紹介が期待できます。
キャリアリンクファクトリーでは、日本人と同等の日本語能力を持つN1、N2人材を中心に外国人人材の紹介が可能です。製造業で外国人採用でお困りの場合は、ぜひお問い合わせください。