外国人採用の必要書類を「採用の流れ」と「個人・企業」に分けて解説
- Top
- キャリアリンクファクトリー派遣ジャーナル
- 外国人採用の必要書類を「採用の流れ」と「個人・企業」に分けて解説
外国人の採用は、日本人の採用とは異なる書類の作成や手続きが必要です。必要書類には、外国人本人が作成する書類と、企業が用意する書類があります。
この記事では、外国人採用に必要な書類を「採用準備期間」「採用時」「採用後」のステップに分けて詳しく紹介いたします。
目次
外国人の採用準備期間に必要な書類
外国人の採用準備期間中、在留資格の取得に向けた書類を外国人本人と企業がそれぞれ作成します。
外国人は必要な書類が何か分からない場合があるため、企業側は外国人本人が用意する書類の明示が必要です。
また、企業と外国人本人が共同で用意する書類もあります。
外国人本人が用意する書類
外国人の採用準備期間に、外国人本人は以下の書類を用意します。
- 外国人本人が用意する書類
- 履歴書・職務経歴書
- 在留カード(既に日本に滞在している場合)
- 学歴証明書(卒業証明書、成績証明書)
- 職歴証明書(前職がある場合)
- 資格証明書(関連する資格がある場合)
履歴書・職務経歴書
履歴書・職務経歴書で外国人本人の経歴を確認し、候補者を選定します。
学歴証明書・職歴証明書・資格証明書
履歴書や職務経歴書に記載された情報に誤りや虚偽がないか、各種証明書をチェックします。
いくつかの在留資格では、学歴や職歴、資格が申請条件となる場合があります。
そのため、在留資格を申請する前に原本を確認し、要件を満たしているかの確認が必要です。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する際には、学歴証明書の提出が求められます。
在留カード(既に日本に滞在している場合)
採用候補の外国人が既に日本に滞在している場合、在留カードを確認します。
在留カードには顔写真があり、本人確認が可能です。在留カードの情報とその他の書類の情報に相違がないかを確認し、書類に誤りや虚偽がないかもチェックします。
本人確認や書類に問題がなければ、在留カード表面の「就労制限の有無」と裏面の「許可」を確認し、外国人の就労可否を判断します。
企業と外国人本人が共同で用意する書類
外国人の採用準備期間に、企業と外国人本人が共同で以下の書類を用意します。
- 共同で用意する書類
- 在留資格認定証明書の申請手続き(在留資格を新規取得する場合)
- 在留資格変更許可申請(既に日本に滞在している場合)
- 健康診断書(在留資格によっては必要)
在留資格認定証明書の申請手続き
「在留資格認定証明書」は、海外に居住している外国人が在留資格を新規取得する際に必要な書類です。
外国人は在留資格を取得していないと日本で活動できないため、日本に入国する前に在留資格認定証明書を申請します。
しかし、申請は日本国内の地方出入国在留管理局で行われるため、海外に居住する外国人が直接提出するのは難しいです。そのため、採用する企業や弁護士・行政書士が代理で提出します。
在留資格認定証明書の発行には、申請後約1〜3ヶ月かかります。
在留資格変更許可申請
日本に在留している外国人が在留資格を変更する際、申請者の居住地を管轄する地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を行います。
申請は外国人本人が行いますが、対応が難しい場合には企業のサポートが必要です。
申請のタイミングは、在留資格の変更事由が確定した後となります。転職による申請の場合、就職内定を受けた後に申請を行います。
在留資格変更許可申請が承認されると、出入国在留管理局から申請者の住所宛てに許可通知のハガキが送られます。許可通知のハガキが届くまでの期間は、申請後約2週間から1か月が目安です。
健康診断書
申請する在留資格によっては、健康診断書の提出が求められます。たとえば、在留資格「特定技能」では、定められた期間内(日本在留:申請日から遡って1年以内、海外居住:申請日から遡って3ヶ月以内)に受診した健康診断書が必要です。
企業は健康診断書の作成をサポートし、状況に応じて費用の負担を行います。
海外居住の外国人が現地の病院で健康診断を受診する場合、あらかじめ必要な項目を提示する必要があります。
また、「医師の診断」や「備考」などが外国語で記載されている場合、その箇所について日本語翻訳の添付が求められます。
企業が用意する書類
外国人の採用準備期間中、企業は以下の書類を用意します。
外国人に発行する書類は、日本語だけでなく、外国人が理解できる言語でも作成します。
- 企業が用意する書類
- 採用通知書
- 労働条件通知書
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 雇用理由書
- 会社の登記簿謄本
- 会社の決算報告書
- 事業内容を説明する資料
採用通知書
採用通知書で選考結果を外国人に通知します。
通知書には、外国人の氏名、採用決定の意思表示、通知日、企業名、事業主の氏名、採用担当者名、電話番号などを記載します。
労働条件通知書
労働条件通知書を作成し、外国人に通知します。
労働条件通知書には、賃金、労働時間、休日などの具体的な条件を明記し、トラブルを未然に防ぎます。記載する内容は日本人への通知と同様ですが、外国人が理解できる言語や表現での記載が求められます。
また、在留資格取得前に労働条件通知書を作成する際には、万一在留資格が取得できなかった場合に備え、「雇用開始日は在留資格認定証明書交付後に決定」と追記する必要があります。
在留資格認定証明書交付申請書
「在留資格認定証明書交付申請書」には、企業の名称や法人番号、外国人の雇用条件を記載します。
雇用理由書
雇用理由書は、その他の申請書類では説明しきれない部分を補足し、外国人雇用の必要性や適切性を明確に示すための重要な文書です。
雇用理由書の作成は法的な義務ではありませんが、在留資格の申請をスムーズに進めるために作成が強く推奨されます。
雇用理由書には、企業の業務内容、雇用する外国人の採用理由、日本でのサポート体制について記載します。
外国人を採用する際に必要な書類
外国人を採用する際に必要な書類を紹介します。
書類には「作成が必須な書類」と「状況に応じて作成する書類」があり、企業や外国人の状況に応じて作成を進めます。
作成が必須な書類
外国人を採用する際、以下の書類が求められます。
- 必須な書類
- 住民票記載事項証明書
- 扶養控除等申告書
- 社会保険加入手続き
- 在留カードの確認(新たに作成した場合)
住民票記載事項証明書
労働基準法により、企業は労働者名簿の作成が義務付けられています。
住民票記載事項証明書は、労働者名簿の作成時に、労働者の正確な氏名、住所、生年月日、性別などの情報を確認するために使用されます。
外国人は、住民票を登録している市区町村で住民票記載事項証明書の発行を依頼します。
扶養控除等申告書
所得税の控除を受けるため、全ての従業員が扶養控除等申告書を企業に提出します。
企業は外国人の書類作成をサポートし、その書類をもとに年末調整を行います。
社会保険加入手続き
健康保険および厚生年金保険の加入手続きは、入社後に企業が担当します。
雇用形態によって国民健康保険や国民年金に加入する場合は、外国人個人が手続きを行いますが、企業は必要に応じてそのサポートを行います。
状況に応じて作成する書類
外国人が入社する際、以下の書類を状況に応じて作成します。
- 状況に応じて作成する書類
- 入社承諾書
- 誓約書
- マイナンバー関連手続き
- 給与振込先の届出書
- 健康保険被扶養者異動届(扶養家族がある場合)
入社承諾書
入社承諾書は、外国人が企業に対して入社の意志を伝えるための書類です。
企業が入社承諾書の内容について説明し、外国人が承諾の証としてサインをします。
入社承諾書には入社を強制する効力はありませんが、外国人の意志確認やトラブル防止に役立ちます。
誓約書
誓約書は、雇用主と外国人の間で交わされる重要な文書です。
誓約書の内容には、入管法の遵守や在留資格の変更・更新時の報告義務、資格外活動の条件遵守などが記載されます。
誓約書の作成は法的義務ではありませんが、外国人雇用に伴うリスクを軽減する効果があります。
マイナンバー関連手続き
日本に在留する外国人には、日本人と同様にマイナンバーが割り振られます。
海外から入国した外国人には、住民票の登録を行った後に「マイナンバー通知カード」が届きますので、企業は必要に応じてマイナンバーカードの発行手続きをサポートします。
既に日本に在留している外国人の住所が変わる場合は、役所で住所変更手続きを行う必要があります。
外国人の採用後に必要な書類
外国人を採用した後にも必要な書類があります。
「外国人本人が用意する書類」
「企業が作成をサポートする書類」
「企業が用意する書類」
に分けて紹介します。
外国人本人が用意する書類
外国人本人は、採用後に以下の書類を用意します。
- 外国人本人が用意する書類
- 年金手帳(コピー)または基礎年金番号通知書(コピー)
- 雇用保険被保険者証(前職がある場合)
- 源泉徴収票(採用年に前職がある場合)
企業が作成をサポートする書類
企業は採用した外国人が、以下の書類作成や申請手続きを行う際のサポートを行います。
- 企業が作成をサポートする書類
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 給与振込口座開設
- 住民登録手続き
- 年金手帳の取得手続き
- 健康保険証の取得手続き
企業が用意する書類
企業は外国人を採用した後、最寄りのハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出します。
外国人が雇用保険に加入する場合は、「雇用保険提出書」をハローワークに提出すれば、「外国人雇用状況の届出」は不要となります。
まとめ
外国人採用にはさまざまな必要書類があります。
このような手続きを自社で行うのが難しい場合は、外国人採用に特化した人材派遣会社や人材紹介会社に相談するのがおすすめです。外国人採用の知識やノウハウを持ち、短期間で効率的な採用が期待できます。
キャリアリンクファクトリーでは、特定技能の受け入れ支援をしております。特定技能外国人の受け入れをご検討中であれば、ぜひお問い合わせください。