食品工場で外国人労働者が増加。受け入れ方法と3つのメリットを紹介
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日本国内の食品工場で働く外国人労働者が増加しています。厚生労働省の「外国人雇用状況」によると、令和4年10月末現在の食料品製造業で働く外国人労働者数は14.8万人と発表されています。
令和3年同月と比較すると+1.0万人増(107.5%)、10年前の平成25年と比較すると+8.6万人(240.7%)と急増しています。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省
では、日本の食品工場で働く外国人労働者はなぜ増加しているのでしょうか。この記事では、食品工場で働く外国人労働者が増加している理由や受け入れメリットや受け入れ方法まで紹介いたします。
目次
食品工場で働く外国人労働者が増加している理由
食品工場で働く外国人労働者が増加している背景には、人手不足の解消や外国人労働者の受け入れ制度の見直しが挙げられます。それぞれについて紹介いたします。
減少する日本人の労働力を補う
全産業における日本人の労働力は、少子高齢化の影響で年々減少傾向です。総務省統計局公表の労働力人口で公表されたデータによると、2003年から2023年の約20年間で日本の労働者数は173万人も減少しております。特に15〜34歳は476万人と著しく減少しているのです。
日本人の労働者は今後も更に減少していく見通しで、不足する労働力を補うため、外国人労働者の受け入れが進んでいます。
労働条件の厳しさから日本人の労働者から敬遠される
食品工場の業種によってはシーズン毎に仕事量のばらつきがあり、その時期には長時間労働を求められることがあります。
特に日常から人手不足が続いている食品工場では、過重労働や休暇取得の減少などの対応を行い、何とか納期を間に合わせているケースもあります。また、業務内容によっては低温環境での作業や、機械操作の難しいタスクなど、特定の技能や体力を要する仕事も存在しており、これらの条件がネガティブイメージとなり、日本人の労働者から敬遠される傾向にあります。
特定技能の創設により外国人労働者の受け入れ拡大
外国人労働者受け入れ拡大を目的に創設された「特定技能」の影響も考えられます。
特定技能とは、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的に、2019年に創設された在留資格です。
特定技能の在留資格が導入されたことで、特定技能が分類される「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ外国人労働者数は、令和4年時点で前年対比21.7%も増加、外国人労働者全体数は届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新しております。
特定技能では12の分野があり、分野によって従事できる職種が決まっています。食品製造業では飲食料品製造業が該当し、特定技能創設の恩恵を受けられる産業分野です。
食品工場で外国人労働者を受け入れする3つのメリット
外国人労働者を雇用することには多くのメリットがあります。そのメリットから受け入れ側である日本企業のニーズが高まっているのです。食品工場で外国人労働者の受け入れメリットを紹介いたします。
若い労働力の確保が期待できる
外国人労働者の受け入れを進めることで、若い労働力の確保が期待できます。
日本人の平均年齢は約49歳で、世界で2番目に高齢化が進んだ国となっています。日本人の労働者は減少し、尚且つ高齢化が進んでいることから、若い労働力の確保が年々困難になっています。
一方、世界の人口は年々増加傾向にあり、平均年齢も日本人より低いことから、若い労働力を確保しやすい状態です。特に近年、日本で増加している東南アジア系の国は、ベトナム人で約31歳、フィリピン人は約26歳というように、平均年齢が低い傾向にあります。
外国人労働者の受け入れは、日本人の労働力減少を補い人手不足の解消に繋がるだけでなく、若い労働力の確保が期待できるのです。
就労意識が高い
就労意識は労働者毎にばらつきがありますが、外国人労働者は就労意識が高い傾向にあります。
日本の給与水準は比較的高いとされており、特に発展途上国の労働者にとっては、日本での収入は家族を養うための大きな支えとなるため、高いモチベーションを持ち、就業するケースが多いです。
また、日本は多くの分野で高度な技術を持っており、教育制度や就業環境が整っていると世界的に評価されております。外国人労働者は日本企業での経験を通じて、専門的な技術やノウハウを学び、自らのスキルアップに繋げていきたいという熱意を持って就業します。
治安が良く災害時の対応も整備されているため、長期滞在し日本で生活していきたいというニーズもあります。
このような背景から、簡単に仕事を辞めずに真面目に働く外国人労働者が多く、就労意識の高い外国人労働者の受け入れは企業にとってメリットになります。
海外進出や更なる外国人雇用の足がかりとなる
海外へのビジネス展開を考えている企業にとって、現地の法律・言語・文化などを理解している従業員がいれば、大きなアドバンテージとなります。海外進出後も、日本で教育した外国人労働者を海外拠点や工場の責任者と送り出すことで、自社の考えを現地で浸透しやすくなります。
また、外国人雇用は言語や習慣の壁がありますが、同じ国の労働者がいる職場は馴染みやすく採用や定着に繋がります。言語が伝わりにくい外国人労働者を雇用する場合においても、就業している外国人労働者が通訳や指導してもらうことも可能です。
食品工場で外国人労働者を受け入れする方法
外国人労働者が日本で働くためには、就労可能な在留資格を取得していなければなりませんが、受け入れ方法は在留資格によってことなります。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、令和4年10月末現在の製造業で働く外国人労働者数は48.5万人です。
在留資格別の内訳は、「技能実習」、「身分に基づく在留資格」、「専門的・技術的分野の在留資格」のいずれかの在留資格を持つ外国人の割合が9割を超えております。製造業で働く多くの外国人がいずれかの在留資格を取得し、日本で就労していることがわかります。
在留資格 | 人 | 割合 |
---|---|---|
技能実習 | 167,702 | 34.6% |
身分に基づく在留資格 | 164,102 | 33.8% |
専門的・技術的分野の在留資格 | 107,418 | 22.1% |
資格外活動 | 28,401 | 5.9% |
特定活動 | 17,505 | 3.6% |
全在留資格計 | 485,128 | - |
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省
技能実習の在留資格と受け入れ方法
技能実習とは、技能・技術・知識を開発途上地域等へ移転し、経済発展を担う人づくりに寄与することで、国際貢献することを目的に創設された制度です。
建設業・食品製造業・耕種農業・機械加工など87の職種で、最長5年間技能を実習しながら学ぶことを目的に在留資格が付与されます。在留目的は技能の実習で、単に労働力の確保を目的とした雇用はできませんので注意が必要です。
技能実習生の受け入れは、現地(海外)を拠点に行います。まず、受け入れ先企業が監理団体に加盟し、監理団体から技能実習候補者の紹介を受けます。紹介を受けた候補者の中から受け入れ先企業が技能実習生を選出し、選出者の入国準備を監理団体が行うといった流れです。
身分に基づく在留資格と受け入れ方法
身分に基づく在留資格には「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の在留資格が含まれます。
就労活動に制限がない在留資格として扱われ、就労の制限がありません。日本人と同様に様々な仕事に就くことができ、単純作業労働の就業も可能です。在留資格の特性上、日本語が堪能で、日本の文化に馴染んだ外国人労働者が多い傾向にあります。
身分に基づく在留資格を持つ外国人労働者は、日本国内で受け入れできます。日本人同様に、求人募集を行う方法や、人材派遣・人材紹介サービスも活用可能です。
専門的・技術的分野の在留資格と受け入れ方法
専門的・技術的分野の在留資格には、「特定技能」や「教授」、「医療」、「教育」などの高度人材が含まれますが、特定技能以外の在留資格はグローバル化や技術の向上などを在留目的としており、単純労働は認められていません。
しかし、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的に創設された在留資格である「特定技能」は、人手不足が深刻な12分野で幅広く受け入れ可能で、単純労働に該当する作業も就業可能です。
また、特定技能の在留資格を持つ外国人は、技能評価試験や日本語能力試験に合格しており、技能や日本語のレベルが一定以上であることや、日本人が行う付随作業にフルタイムで従事できることで即戦力として受入が期待できるため、企業からのニーズが年々高まっております。
特定技能外国人の受け入れ方法は、現地(海外)からの受け入れ、国内に居住する外国人の受け入れ、技能実習2号からの移行の3つの方法が挙げられます。いずれの方法も、特定技能を取得できる外国人労働者と、特定技能雇用契約を締結し、受け入れが可能となります。特定技能を取得するには、特定技能評価試験と日本語能力試験の合格、または技能実習2号の修了が必要となります。
人手不足の解消に効果的な受け入れ方法
人手不足の解消を目的に外国人労働者を受け入れする場合、身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)や、特定技能の在留資格を取得できる外国人労働者の雇用が効果的です。就労制限が少なく、単純労働も就労可能で、日本語が堪能な即戦力になることが期待できるからです。
また、技能実習は労働力の確保を目的とした雇用は許諾されておりませんが、技能実習2号を修了している場合において、特定技能に在留資格を変更することができます。
まとめ
外国人労働者の受け入れは、人手不足の課題を感じている食品工場にとって課題を解決する有効的な手段です。受け入れする日本企業や外国人労働者の双方にとってメリットがあります。
食品工場の外国人労働者を受け入れする方法を紹介いたしましたが、それでも受け入れ制度が難しい、自社での対応が難しい場合には、外国人雇用に特化した人材紹介会社や派遣会社に相談することが有効的です。
受け入れニーズに応じて在留資格や受け入れ方法の提案を受けることが期待できるほか、採用から雇用までの自社負担を削減することができるからです。もしお困りの場合、製造業専門の人材派遣会社「キャリアリンクファクトリー」へお気軽にお問合せください。