日本で働く中国人が多い理由と雇用する企業の3つのメリットを紹介
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厚生労働省発表の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、日本で働く中国人労働者は38.6万人(令和年10月時点)となっています。
中国人労働者数は外国人労働者の21.2%を占めており、ベトナム人(46.2万人、25.3%)に次いで2番目に高い割合です。少子高齢化の影響で日本人労働者が減少傾向にある中、多くの中国人労働者が日本で働き、日本人の労働力不足を補っています。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省
また、中国人の雇用や派遣を検討している企業も多いかと考えられます。この記事では、中国人労働者が日本で働く理由や雇用する企業のメリット、在留資格や雇用方法を紹介いたします。
中国人雇用の基本情報
中国とはどの様な国なのでしょうか。基本情報やその特徴を改めて見ていきましょう。
中国の面積と位置
中国の面積は約960万平方キロメートルです。その広さは日本の約26倍で、世界4位の大きさとなります。日本からの距離は、韓国・ロシア・北朝鮮に次ぐ4番目に近い国です。中国の首都・北京までの距離は約2,098km、平均フライト時間は約4時間と比較的短時間で行き来が可能です。
中国の人口と民族
中国の人口は約14億人となります。これは、日本の人口の約14倍です。近年インドに抜かれておりますが、世界で2番目に人口が多い国です。中国人のほとんどは漢民族で総人口の約92%が占めており、残り約8%に大凡55の少数民族が存在するとされております。
中国人の言語
中国人の公用語は中国語です。中国語は漢字を使用しているため、中国人にとって日本語は学習しやすい用語の1つです。また、小中学年から英語の授業がされており、比較的英語を喋れる人が多い傾向です。しかし、地域によって学習レベルが異なっており、英語がわからない中国人も多数存在します。
中国の経済状況
中国は近年、驚異的な経済成長を遂げており、日本を抜いて世界第2位のGDP(国内総生産)を誇る経済大国となりました。製造業、技術、農業など多岐にわたる産業が発展しており、多くの国際企業も中国市場に進出し、経済のグローバル化が進行しています。
日本で中国人の雇用が多い理由
著しい経済発展を遂げる中国ですが、何故多くの中国人が日本で働いているのでしょうか。その理由と背景を紹介いたします。
中国の就職事情による理由
中国人観光客が海外で大量の商品を購入する、いわゆる爆買いが話題となり、中国人はお金持ちというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実態として、中国国内では都市部と農村部で格差が広がり、二元化社会となっています。都市部出身者は経済成長と共に生活が豊かになっている反面、農村部出身者は子どもが学校に通えないほど貧しい生活を余儀なくされているのです。
努力して大学に進学するにも、農村出身者の場合には大学への入学規制があったり、受験はできても合格ラインが高く設定されていたりと、農村出身者の大学進学は非常に狭き門となっています。
高学歴でなければホワイトカラーの優良企業に就職できず、就職後の給与も学歴で決まる傾向が強いため、所得格差が広がっています。また、都市部出身者と農村部出身者とで戸籍が分かれており、経済格差を理由に農村部から都市部へ移住しても、都市部での正式な居住権を持てないのです。
中国は長時間労働の企業が多い
中国は長時間労働が常態化している企業が多く、労働者を悩ませる問題の1つとなっています。IT産業や新興企業などの成長産業では、「996」勤務が浸透しているのです。
「996」勤務とは、朝9時から夜9時まで週6日働くことを示します。ワークライフバランスを重視する企業においても、朝8時から夜8時まで週5日働く「885」勤務が常習化しております。長時間労働の慢性化は過労死や健康問題の原因にもなり、ワークライフバランスを重視する傾向にある若い世代の労働者から敬遠されつつあるのです。
多くの中国人が日本で働く理由
中国で不遇の立場にある労働者は、海外に居住し働く動きがあります。
中でも日本は、中国の隣国として古くから交流があり、文化や言語の共通点も多い国です。地理的にも近く、場所によっては日帰りで行き来できる利便性があります。
また、日本は治安が良く、衛生的な国であり、中国人にとって生活しやすい環境です。賃金においても、一部のエリート層を除くと日本企業で働いた方が良い場合があります。
この様な背景から、多くの中国人が労働者として来日しているのです。
中国人を雇用する日本企業の3つのメリット
多くの中国人が日本で働く背景には、受け入れ側である日本企業の明確なニーズが存在します。中国人を雇用する日本企業のメリットを紹介いたします。
日本の労働力不足を補う若者の労働力を確保できる
少子高齢化の影響で、日本人の労働力は年々減少傾向です。総務省統計局の労働力人口によると、2003年から2023年の20年間で、日本人の労働力人口は173万人も減少しております。
特に15~34歳は476万人減少と深刻な状態です。日本人の平均年齢は約49歳と世界で2番目に高齢化が進んだ国となっております。
一方、中国人の人口は約14億人、世界第2位の人口を誇る人口大国です。中国の平均年齢は38歳で、1979年に施行された一人っ子政策の影響から2022年には約60年ぶりに人口が減少したものの、日本人とは比べものにならないほど多くの若い労働者が存在します。若者の労働力不足に悩む日本企業にとって、中国人の雇用は非常に魅力的なのです。
優れた能力を持つ人材を確保できる
中国では激しい受験戦争が起きており、優れた能力・知識を持つ人が多く存在します。しかしながら、望まれるホワイトカラー企業への就職は狭き門となっており、希望する仕事に就業できない人も多い実態です。
待遇の良い企業に就業するため海外で就業する中国人も多く、特に地理的にも近くて生活しやすい日本は人気があります。中国人の雇用を進めることで、優れた能力を持つ人材の確保が期待できるのです。
中国企業や中国人顧客との取引を強化できる
中国の経済力・人口・面積は世界トップクラスです。隣国である日本企業の多くは、中国企業との取引や顧客を抱えている状況です。
中国と密接な関係がある中、中国語を話せるのはもちろんのこと、文化や習慣を知っている中国人を雇用することで、中国企業との関係性構築や集客など様々なメリットももたらします。
また、中国は「世界の工場」と表現されるように、世界各国の企業が製造拠点を中国に設けています。今後、中国に自社の製造拠点を設ける場合、雇用している中国人が大きな戦力になるのです。
在日中国人の在留資格と雇用方法
中国人を含む外国人を日本で雇用する場合、まずは在留資格の取得が必要です。厚生労働省の外国人雇用状況によると、日本で働く中国人が取得している在留資格は、「専門的・技術的分野の在留資格」が約35%、「身分に基づく在留資格」が約34%、「資格外活動」が約20%となり、全体の約9割を占めております。
在日中国人のほとんどが上位3つのいずれかの在留資格を取得しているのです。
以下の表は「日本で働く中国人(香港、マカオを含む)の在留資格別外国人労働者数」を表しています。
在留資格 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
専門的・技術的分野の在留資格 | 133,214 | 34.52% |
身分に基づく在留資格 | 130,074 | 33.71% |
資格外活動 | 77,248 | 20.02% |
技能実習 | 40,093 | 10.39% |
特定活動 | 5,216 | 1.35% |
不明 | 3 | 0.00% |
全在留資格計 | 385,848 | 100.00% |
在留資格にはそれぞれ特徴があり、自社のニーズに合った在留資格を取得する中国人を雇用する必要があります。上位3つの在留資格の特徴と、雇用方法を紹介いたします。
専門的・技術的分野の在留資格の特徴と雇用方法
専門的・技術的分野の在留資格には、「特定技能」や「教授」、「医療」、「教育」などの高度人材が含まれます。「特定技能」以外の在留資格は、グローバル化や技術の向上などを在留目的としており、単純労働は認められていません。
人手不足の解消を目的に中国人を雇用したい場合には、「特定技能」の在留資格がおすすめです。
特定技能とは、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的に創設された在留資格です。単純労働に該当する作業も就業可能です。
特定技能を取得するには、技能評価試験や日本語能力試験を合格する必要があり、特定技能外国人は技能や日本語のレベルが一定以上であるため、企業からのニーズが年々高まっております。
特定技能の資格を持つ中国人の雇用は、日本国内と現地(中国)で行えますが、専門的な知識やノウハウが必要です。自社で雇用を進めることが難しい場合には、人材紹介会社に依頼することで、人材の紹介や雇用に関する適切なアドバイスを受けることが期待できます。
キャリアリンクファクトリーでは、特定技能の資格を持つ中国人の派遣も可能です。はじめてでも徹底的にサポートいたしますので、ご安心ください。派遣のご依頼・ご相談はお問い合わせフォームからお問い合わせ下さい
身分に基づく在留資格を持つ中国人を雇用する方法
身分に基づく在留資格には「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の在留資格が含まれます。就労活動に制限がない在留資格として扱われ、就労の制限がありません。
日本人と同様に様々な仕事に就くことができ、単純作業労働の就業も可能です。在留資格の特性上、日本語が堪能で、日本の文化に馴染んだ外国人労働者が多い傾向にあります。
身分に基づく在留資格を持つ外国人労働者は、日本人同様に日本国内で求人募集することができます。また、人材派遣・人材紹介サービスの活用も効果的です。
資格外活動の中国人を雇用する方法
資格外活動とは、外国人が日本で許可された在留資格の範囲を超えて行う活動を指します。在留資格の範囲内で許可された活動以外の仕事を行う場合、事前に入国審査官からの許可を取る必要があります。
例えば、留学生がインターンシップやアルバイトなどの報酬を伴う活動を行うには、この許可が求められます。
中国人の大学生は、インターンシップに参加することで実務経験を積むことを重要視する傾向にあります。
新卒の就職市場は競争が激しくなっており、学生たちは卒業前に実務経験を積むことで、自分の市場価値を高めようとしているのです。
インターンシップを行っている学生の受け入れは、優秀な中国人留学生を日本の企業に引き込む貴重な手段です。
しかし、インターンシップ生を受け入れするには、大学とパートナーシップの構築や、申請書類の適切なサポート体制を整備するなど、ハードルが高いことも事実です。自社で対応が難しい場合には、外国人インターンシップ制度を導入している人材紹介会社に依頼するのがおすすめです。
キャリアリンクファクトリーでは、インターンシップも対応しております。提携大学・日本インターンシップ支援協会のサポートのもと最長1年間、作成したカリキュラムに沿って学生を受け入れる仕組みです。
自社の負担をかけずに、優秀な中国人インターン生の受け入れを考えている企業様は、ぜひお問い合わせフォームからお問い合わせください。
まとめ
中国人の雇用は、若者の労働力を確保し人手不足の解消を期待できるだけでなく、優れた能力を持つ人材の確保や中国との関係を強化できる有効的な手段です。
在留資格別に中国人の雇用方法を紹介いたしましたが、自社での対応が難しい場合には中国人の雇用に特化した人材紹介会社や派遣会社への相談が効果的です。受け入れニーズに応じての提案を受けられるほか、外注化することで採用や雇用に関する自社の負担を削減できるからです。
キャリアリンクファクトリーでは、特定技能やインターンシップなどのサービスを提供しております。人材不足で中国人スタッフの受け入れをご検討中の場合、まずはお気軽にご相談ください。